【kreativ magazine】"FOR ONCE IN MY LIFE"インタビュー全文
THE DISASTER POINTS 1st Full Album "FOR ONCE IN MY LIFE"に関するインタビュー記事が、
ライブハウス大阪心斎橋HOKAGEが発行するフリーペーパー「kreativ magazine」に掲載されています。
文字数の関係で全文掲載が難しかったのですが、HOKAGEのご厚意で全文テキストを頂いたので、
ここに載せてみようと思います。長くなりますので暇つぶしにでも。
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『kreativ magazine Interview』
2015年5月、大阪市内
聞き手:佐野淳(大阪心斎橋HOKAGE/毘盧遮那/やじん)
■結成から8年。やっとの1stアルバムですが作り上げた今の心境はどうですか?
沖瀬(以下O):禊(みそぎ)やからなぁ。。こんなん言うたらアカンのかもしれんけど。
めっちゃこだわって、詰め込んで作ったし、自分らの持ってるものを取りこぼしなく表現してんけど…
例えば『死ぬ気で一枚作り上げたからあとはもうどうなっても良い』とかは全く思ってないな。
次の事ばかり考えてる。音源出してどうかって聞かれたら『あ、やっとこれできたわ』みたいな。
フルアルバムなんて結成3~4年で出しててもおかしくないのに8年もやってきてのフルアルバムやからな。そういう意味でほんま禊やな。
肩の荷降りたと同時に、どうすれば色んな人に聞いてもらえるのかで頭いっぱいやし、
いざツアーが終わったら懲りずに次の事考えてるやろから。
すげえアルバム作ってやってるはずやねんけど、何よりもこれからのライブの事ばっかり考えてる。
完成したアルバムを振り返ってどうとかは全然無くて、経過地点。
あとは聴いてもろたらそれで良いかな。
それよりツアーでどんだけ良いライブするか。音源はオマケみたいなもんで。
こういう言い方になると心証悪いかな(笑)他の奴らってどうなんやろな。
■いや、前向いてる人ってみんなそうなんじゃないですかね。そういう意味では作り上げたものは自分の中では過ぎ去って風化していくものだと思いますし。
O:そうやったらええねんけどなぁ。めっちゃこだわって作ったから、これ以上の作品は無いやろっていうぐらい自信作。
せやねんけどぶっちゃけライブの事ばっかり考えてる。
言っちゃえばアルバムはライブのためのツール。
だから『これだけのもん作ったしもう死んでも良い』みたいなんは全くない。
けどめっちゃええのできたけどな!みたいな(笑)
■実はちょうど聞きたかったのですが、ライブのMCやSNSで私見を発信してるのは沖瀬が多いと思いますが、
他のメンバー達は普段どんな事考えたりしてるんでしょう?改めてメンバー紹介がてらにどんな感じの人達なのかを聞かせてもらえますか。
O:みんな俺を立ててくれてるなと思うねん。気ぃ使って。
で、ギターのシンゴは基本的にいつも大らかやねんな。なんでもいいって言うか。
でもたまに変なスイッチ入ってそん時だけ怒る。
それ以外はずっと『う~』言うてるだけやから(笑)
ドラムのカジは目立ちたがり屋やから多分色々言いたい事もあったりするんやろけど、
バンドの看板掲げてる場では個人の意見は出さへんて決めてるみたい。
そうやって俺のことを立ててくれてる。
その代わり俺が無茶な事言うた時とか困ったりもすんねやろなと思う。
申し訳ないしありがたい。
ベースのツトムはSNSとか興味無いっていう感じ。
カジ以外はみんな興味無いんちゃうかな。
そういうライブ以外の場での自己主張に興味が無いと思う。
いつだって俺だけがずっと小言言うてる。
多分俺の場合、バンドやってなくてもず~っとなんか言うてると思う(笑)
過去の自分の書いたやつとか見返したら病気ちゃうかなと思うわ(笑)
■今回のアルバムは新旧織り交ぜたこれまでの総決算的な内容ですが自身ではどう位置付けてますか?
O:アルバム録ると決まった時点で、持っている曲は全て放り込もうと決めた。
ライブでやってた曲をパッケージング。
で、実は再録も多いし音源的には聴いた事ないですっていう曲の方が少ないねん。
だからそれもどうなんやろなぁて思っとってんけど、
こっちの勝手な都合で言えば今のメンバーになってから録ってない曲があったりして、
やっぱ改めてしっかりと『俺らこんなバンドです』みたいな作品を作りたくて。
その時点でのベストを。
それやったら昔からある曲も入れたいなぁて。
聴く人によっちゃ『聴いた事ある曲ばっかりやん』て思うかも知れんけど、
今の時点で言えば、再録した曲達もサウンドやアレンジ、全てにおいて圧倒的に良くなった。
ちょっとワガママではあるけど、何も知らん人が聴いて『格好ええ』ってなるのは勿論、
知ってる人が聴いてくれても結構いけるんちゃうかなぁって思う。
■確かに音楽的にも雰囲気が統一されてて『俺らこんなんです」っていうアピールはかなり出てると思いますね。逆に今後音楽的に挑戦していきたい曲調なんかはあったりしますか?
O:あんねんけど、なんて言ったらええんかな、表現するのに引き出しが要るからな。自分らに。
不思議なもんで年相応になった頃にそういう引き出しが自分の中で自然に開けれるようになっていくっていうか。
今はまだ色々やるには自分の中で少し早いかなって思ってる。
スリーコードのカントリーソングとか作りたいな~て思ってやってみるけど、
それを俺らがバンドでやるには『まだおぼこい(幼い)なぁ』みたいな。
1stアルバム出して、これからどんどんやっていくわけやけど、
まだまだシンプルに真っ直ぐ突き刺さるパンクのCDを作らなアカンなって気がしてる。
誰に頼まれてるわけでもないねんけど、
このアルバムで「俺らこんなんです」って提示した後に、
『じゃあ次はこんなんもできるようになりました』ってフック効かすんはダサいなって思ってて。
ほんま40歳越えて体もアカンわみたいな時に、ゆる~いカントリーのバンドになろうと思ってる(笑)
軟派な言い方やけど。
■自然に柔らかくなっていくまでってことですか?
O:いうてまだ30代入りたての若いバンドやし、出来る限りアクセル踏んでいたいなぁって。
いつまでこの感じでいけるんかはわからへんけども。
でも先輩らのバンド見とったらまだまだ余裕でアクセル踏んでるもんな(笑)
変な話、俺らが40歳越えて先輩らがまだアクセル踏んでたら俺も踏まなアカンもん(笑)
だから今居る先輩らがどこまで踏みっぱなしで行けるのかが
このジャンルを生きる上での一つの答えやとは思う。
せやけどおっさんらまだまだやってるもんな(笑)どないなってんねん(笑)怖いわ(笑)
■アルバムタイトルは『一度きりの我が人生』みたいな感じなのでしょうか?1番言いたい事はその言葉に要約されてるんだと想像しました。
曲ごとにも色んな意味があるのを感じさせるタイトルが並んでますがどんな事を歌ってるのかいくつか聞かせてくれますか?
O:曲のタイトルな。実はフランクシナトラからの引用がめっちゃあんねん。
「UNFORGETTABLE」って曲やったりとか「ONE FOR MY BABY」て曲やったりとか。
アルバムのタイトルの「FOR ONCE IN MY LIFE」もフランクシナトラの同タイトルの曲からの引用やねん。
俺が個人的に凄い好きで。フランクシナトラ。
曲作る時にメロディーから作るパターンがほとんどやねんけど、
『こういう歌にしたい』ってテーマを決めて、メロディーに意味合いを持たせる為にまず最初に曲のタイトルをつけるねん。
歌詞もないうちに。
始めにメロディー、次にテーマやタイトルを決める。
そしてそこに自分の気持ちを乗せていくって流れ。
なので自分が影響を受けた世界観やインスパイアされたものがタイトルに盛り込まれてる。
一番最近で言ったら「HOMEWARD BOUND」っていう曲は、
何かからのインスパイアではなくこのフレーズが持つイメージから作った曲。
ざっくり言ったらHOKAGEとかライブハウスの歌やねんな。
ライブハウスって色んな人が来て、色んな人が離れて、日々色々と変わっていく。
でもこっちはずっとやってるし、やってる間はいつでもそこにいる。
それぞれの旅の途中、『帰りたくなったらいつでも帰ってこいよ、待ってるぞ』っていう帰路の歌。
「LYNFIELD SUN」て曲はメジャーコードで明るい曲やねんけど、歌詞の内容は暗い。
今の自分やったら絶対考えへん事やけど過去にどんよりしてた頃があった。
『昔に戻りたいなぁ』て思ったりしてる時期がありまして。
そんなネガティブな気持ちを明るいメロディーに乗せて、前向きなビートでやろうというのがこの曲のテーマ。
「ONE FOR MY BABY」も後ろ向きな曲。人や金や持ってるものを全部失って独りで死んでいくって曲やねんけど、
その曲が明るいメロディーと軽快なビートに乗ることで、なんかちょっと前向きに感じるというか。
『全部失ったけど、まぁなんとかやるさ』って曲。
「BREAKING BAD BLUES」も暗い内容かな。世の中的な線引きがあったとして、
こっちに居とけば幸せになれるのにそれができなくて不幸せになっちゃってあれもこれも失くすみたいな。
『結局馬鹿な生き方しかできないポンコツなんやからしょうがないよね』みたいな。
基本的に歌詞は後ろ向きな内容の方が多いかな。
ひたすら前向きな曲が書かれへんくて(笑)毎日楽しいなんて嘘やんか(笑)
コードとかメロディーが明るい分、歌詞でバランス取りたいってのも無意識に働いてるんかな。
陰陽あっての人生で、人生を歌ってる以上、それが自分の中では自然なバランス。
■でも最終的には肯定なるのかな?
O:うーん、、はっきり肯定と言えるほどポジティブな出口は設けてないかな。
あと、人に向けて問いかけるみたいな事は歌ってない。
『俺はポンコツなんで地獄に行くだけさ』って感じ(笑)
人に訴えかけたりはしないし、歌詞はとても内向的やな。
『これが正しいと思ってる。どう!?』みたいなんは一切無い。
よれた男の暗い人生を明るいメロディーに乗せて歌うことに楽しみを見出してる(笑)
それが哀愁やったり寂しさやったり情緒になったらいいなと思って作ってんねんけど。
よれたオッサンががんばろ~って歌ってたら「こいつあかん奴なんやろな~でもなんかセクシーやな~」って(笑)
人間的には下の下やけど、なんかええなぁ~みたいな(笑)
そんな感じの世界を愛してる。おっさん、寂しくて良い背中してんなみたいな(笑)
■ライブでは以前よりもチーム感というか、ステージ上で各々に任せれている強みみたいなものを感じましたがどう思いますが。
O:強くなったんよね。それこそ怪我しまくって、つらいな~ってライブもこれまで死ぬ程あったし。
ライブしたらその都度俺ら話すんよ。あれこれこの日どうやったとか。メンタルの話、フィジカルの話を。
ライブってものを男4人でずっとクソ真面目に考えて、
お互いどういう気持ちを持ってるかっていうのを擦り合わせながらここまで来たから、めっちゃ強いと思う。
昔とは全然違うかな。『格好いいライブ、生き方をしたい』ってことだけに全員が集中してる。
今の4人のライブに対する意識、こんなん言うたらあれやけど、その辺のバンドとは次元が違うと思ってる。
バンド、音楽だけじゃなく、生き様の部分までシェアしてるから。
でもまだまだ目指す形があって、出したい熱量をいつも想像してる。
これが続いてる限りはもっと良くなるんやろからわくわくするな。
■CATCH ALL RECORDSと仕事を始めてしばらく経ちますが、一丸となってサポートし合うファミリー感があるようで凄く良い関係なように見えます。出会いがドラマチックでしたがその後はどうですか?
O:やっぱり変わってないかな。時間が経って目を伏せてられへん現実的な問題もいっぱい出てきたし、良い部分も悪い部分も多分お互いあったとは思うけど、
それでも全然関係性に変わりなく、ただ深さだけが増してる。
良いモチベーションを維持できてるし、何より仲間と何かをやるのは楽しい(笑)
レーベルメイトのバンドも増えてて、『みんなでこれから頑張っていきましょう』って状況なんやろけど、
かと言って別にレーベルメイトって理由だけで仲良くやっていこうとも更々思ってない。
でも、ありがたいことに互いを自然に認め合えるような関係を作れたりしてるからすごいラッキーやなと思う。
家族やけどただの馴れ合いじゃない感じ。とても良い状況やな。
あとはそれぞれバンドの色も違うし逆に言うたらメロコアじゃないの俺らだけで、
『CATCH ALLはメロディックのレーベル』てイメージが付いてるのは確か。
だからこそ俺らにしか出来ない事を考えたいなとは常々思ってる。
■以前どこかで冗談混じりに(自分達のサウンドを指して)新型のメロコアと言ってましたが、あながち間違ってはないと思います。
勿論意図的ではないにしろそういったメロディックパンクやこれまでよりポップなフィールドでも勝負をしかけていけるサウンド、やっていきたいという意思を感じますがどうでしょう?
O:それはもうめちゃくちゃ思ってるよ。メロコアに限らず。
おもろい奴おるんやったらそいつらとやってみたいし刺激が欲しいっていうのが何よりやから。
ポップスでもなんでもええライブするんやったらそいつと勝負してみたいってずっと思ってる。
ただどんだけキレイ事言うても、音楽的に多少はリンクする面がないとジャンルの壁ってのはなかなか越えられへん。
これは実際に色んなバンドとやってみて思った事。
『誰とでも勝負できますし誰とでもやりまっせ~』言うたところで、
やっぱ壁ってのは絶対にある。
そういうのを少し溶かしてくれんのは音楽的にリンクする部分やクロスオーバーした所やと思う。
それがあるからメロコア好きな人も俺らの事聴けるんやと思うし。
あとはごっついライブしておもくそ放り込んだらもう壁もへったくれも無くなってる。
そういうのが今はとても楽しいからもっと勝負していきたいな。
■今回リリースに合わせて約50本のツアーが組まれてるあたりからも今回のアルバムでやっと勝負に打って出れるていうような意気込みを感じますが。
O:もうこればっかりはベタ踏みでいこうって決めてたから。
音源を出してツアーを回るってところまで、今の自分らが持っている全てのエネルギーを注いで行おうって。
結果なんかどうでもええから、とにかくギリギリのところまでやる。
とにかく出し切るってテーマがあったから、それだけ考えてツアー組んだしアルバムも作った。
何の為にそのギリギリを探すんかて言うたら、全部ライブの為。
50本やって帰ってきた頃、もし辞めんと生き残っとったら絶対今よりもライブかっこええやろ。
ほんまそれだけ。
■ライブにそれだけ拘る理由ってやっぱりお客さんとのリアルタイムのコミュニケーションの場だからでしょうか?
O:う~ん、そうかな。それもやけど、なんかケンカ強いのと一緒やねんな。
男の子ってさ強い奴になりたいやん。みんながそうじゃないかも知れんけど。
んでバンドの中でいっちゃん強いのって音源を十万枚売ったヤツよりもライブがカッコええヤツやと思ってんねん。
CD1枚しか売れなかろうがライブめちゃめちゃ良いヤツが最強やと思てんねん。
それ人間が強いて事やから。
お客さんに楽しんでもろて自分らも楽しんで、結果フタ開けた時に誰が一番強いのか。
そういうのにワクワクしちゃうから今でも。

THE DISASTER POINTS
[FOR ONCE IN MY LIFE]
CATCH ALL RECORDS
CKCA-1058
¥2300(税抜き)
結成8年にしてやっと出た感満載の大阪ストリートパンク若大将THE DISASTER POINTSの初のフルアルバム。
本人自ら「禊」と発言している通りこれまでの総決算的選曲内容でありながらこれぞディザスターポインツ!な豪快かつ爽快で野太いコーラス満載のパンクロック11曲収録!
本能的な危機感を煽られるサイレンが鳴り響くイントロから一気になだれ込んでくるライブで鍛え上げられた曲の数々が体当たりしながらあっと言う間に駆け抜ける。
新曲旧曲関係無くどこを切っても過去最強の状態(当たり前やけど)で
家で一人で聴いてると拳が上がりライブを渇望してしまう出来栄えでさりげなく滲む哀愁とテンダネスに色気が宿り生き方が落し込まれた音の数々が幾多の夜をくぐり抜けて辿り着いた傷まみれの境地。
言葉にすると安くなるけど本当に生き様みたいなものが刻まれてると感じます。
佐野淳(大阪心斎橋HOKAGE/毘盧遮那/やじん)
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ライブハウス大阪心斎橋HOKAGEが発行するフリーペーパー「kreativ magazine」に掲載されています。
文字数の関係で全文掲載が難しかったのですが、HOKAGEのご厚意で全文テキストを頂いたので、
ここに載せてみようと思います。長くなりますので暇つぶしにでも。
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『kreativ magazine Interview』
2015年5月、大阪市内
聞き手:佐野淳(大阪心斎橋HOKAGE/毘盧遮那/やじん)
■結成から8年。やっとの1stアルバムですが作り上げた今の心境はどうですか?
沖瀬(以下O):禊(みそぎ)やからなぁ。。こんなん言うたらアカンのかもしれんけど。
めっちゃこだわって、詰め込んで作ったし、自分らの持ってるものを取りこぼしなく表現してんけど…
例えば『死ぬ気で一枚作り上げたからあとはもうどうなっても良い』とかは全く思ってないな。
次の事ばかり考えてる。音源出してどうかって聞かれたら『あ、やっとこれできたわ』みたいな。
フルアルバムなんて結成3~4年で出しててもおかしくないのに8年もやってきてのフルアルバムやからな。そういう意味でほんま禊やな。
肩の荷降りたと同時に、どうすれば色んな人に聞いてもらえるのかで頭いっぱいやし、
いざツアーが終わったら懲りずに次の事考えてるやろから。
すげえアルバム作ってやってるはずやねんけど、何よりもこれからのライブの事ばっかり考えてる。
完成したアルバムを振り返ってどうとかは全然無くて、経過地点。
あとは聴いてもろたらそれで良いかな。
それよりツアーでどんだけ良いライブするか。音源はオマケみたいなもんで。
こういう言い方になると心証悪いかな(笑)他の奴らってどうなんやろな。
■いや、前向いてる人ってみんなそうなんじゃないですかね。そういう意味では作り上げたものは自分の中では過ぎ去って風化していくものだと思いますし。
O:そうやったらええねんけどなぁ。めっちゃこだわって作ったから、これ以上の作品は無いやろっていうぐらい自信作。
せやねんけどぶっちゃけライブの事ばっかり考えてる。
言っちゃえばアルバムはライブのためのツール。
だから『これだけのもん作ったしもう死んでも良い』みたいなんは全くない。
けどめっちゃええのできたけどな!みたいな(笑)
■実はちょうど聞きたかったのですが、ライブのMCやSNSで私見を発信してるのは沖瀬が多いと思いますが、
他のメンバー達は普段どんな事考えたりしてるんでしょう?改めてメンバー紹介がてらにどんな感じの人達なのかを聞かせてもらえますか。
O:みんな俺を立ててくれてるなと思うねん。気ぃ使って。
で、ギターのシンゴは基本的にいつも大らかやねんな。なんでもいいって言うか。
でもたまに変なスイッチ入ってそん時だけ怒る。
それ以外はずっと『う~』言うてるだけやから(笑)
ドラムのカジは目立ちたがり屋やから多分色々言いたい事もあったりするんやろけど、
バンドの看板掲げてる場では個人の意見は出さへんて決めてるみたい。
そうやって俺のことを立ててくれてる。
その代わり俺が無茶な事言うた時とか困ったりもすんねやろなと思う。
申し訳ないしありがたい。
ベースのツトムはSNSとか興味無いっていう感じ。
カジ以外はみんな興味無いんちゃうかな。
そういうライブ以外の場での自己主張に興味が無いと思う。
いつだって俺だけがずっと小言言うてる。
多分俺の場合、バンドやってなくてもず~っとなんか言うてると思う(笑)
過去の自分の書いたやつとか見返したら病気ちゃうかなと思うわ(笑)
■今回のアルバムは新旧織り交ぜたこれまでの総決算的な内容ですが自身ではどう位置付けてますか?
O:アルバム録ると決まった時点で、持っている曲は全て放り込もうと決めた。
ライブでやってた曲をパッケージング。
で、実は再録も多いし音源的には聴いた事ないですっていう曲の方が少ないねん。
だからそれもどうなんやろなぁて思っとってんけど、
こっちの勝手な都合で言えば今のメンバーになってから録ってない曲があったりして、
やっぱ改めてしっかりと『俺らこんなバンドです』みたいな作品を作りたくて。
その時点でのベストを。
それやったら昔からある曲も入れたいなぁて。
聴く人によっちゃ『聴いた事ある曲ばっかりやん』て思うかも知れんけど、
今の時点で言えば、再録した曲達もサウンドやアレンジ、全てにおいて圧倒的に良くなった。
ちょっとワガママではあるけど、何も知らん人が聴いて『格好ええ』ってなるのは勿論、
知ってる人が聴いてくれても結構いけるんちゃうかなぁって思う。
■確かに音楽的にも雰囲気が統一されてて『俺らこんなんです」っていうアピールはかなり出てると思いますね。逆に今後音楽的に挑戦していきたい曲調なんかはあったりしますか?
O:あんねんけど、なんて言ったらええんかな、表現するのに引き出しが要るからな。自分らに。
不思議なもんで年相応になった頃にそういう引き出しが自分の中で自然に開けれるようになっていくっていうか。
今はまだ色々やるには自分の中で少し早いかなって思ってる。
スリーコードのカントリーソングとか作りたいな~て思ってやってみるけど、
それを俺らがバンドでやるには『まだおぼこい(幼い)なぁ』みたいな。
1stアルバム出して、これからどんどんやっていくわけやけど、
まだまだシンプルに真っ直ぐ突き刺さるパンクのCDを作らなアカンなって気がしてる。
誰に頼まれてるわけでもないねんけど、
このアルバムで「俺らこんなんです」って提示した後に、
『じゃあ次はこんなんもできるようになりました』ってフック効かすんはダサいなって思ってて。
ほんま40歳越えて体もアカンわみたいな時に、ゆる~いカントリーのバンドになろうと思ってる(笑)
軟派な言い方やけど。
■自然に柔らかくなっていくまでってことですか?
O:いうてまだ30代入りたての若いバンドやし、出来る限りアクセル踏んでいたいなぁって。
いつまでこの感じでいけるんかはわからへんけども。
でも先輩らのバンド見とったらまだまだ余裕でアクセル踏んでるもんな(笑)
変な話、俺らが40歳越えて先輩らがまだアクセル踏んでたら俺も踏まなアカンもん(笑)
だから今居る先輩らがどこまで踏みっぱなしで行けるのかが
このジャンルを生きる上での一つの答えやとは思う。
せやけどおっさんらまだまだやってるもんな(笑)どないなってんねん(笑)怖いわ(笑)
■アルバムタイトルは『一度きりの我が人生』みたいな感じなのでしょうか?1番言いたい事はその言葉に要約されてるんだと想像しました。
曲ごとにも色んな意味があるのを感じさせるタイトルが並んでますがどんな事を歌ってるのかいくつか聞かせてくれますか?
O:曲のタイトルな。実はフランクシナトラからの引用がめっちゃあんねん。
「UNFORGETTABLE」って曲やったりとか「ONE FOR MY BABY」て曲やったりとか。
アルバムのタイトルの「FOR ONCE IN MY LIFE」もフランクシナトラの同タイトルの曲からの引用やねん。
俺が個人的に凄い好きで。フランクシナトラ。
曲作る時にメロディーから作るパターンがほとんどやねんけど、
『こういう歌にしたい』ってテーマを決めて、メロディーに意味合いを持たせる為にまず最初に曲のタイトルをつけるねん。
歌詞もないうちに。
始めにメロディー、次にテーマやタイトルを決める。
そしてそこに自分の気持ちを乗せていくって流れ。
なので自分が影響を受けた世界観やインスパイアされたものがタイトルに盛り込まれてる。
一番最近で言ったら「HOMEWARD BOUND」っていう曲は、
何かからのインスパイアではなくこのフレーズが持つイメージから作った曲。
ざっくり言ったらHOKAGEとかライブハウスの歌やねんな。
ライブハウスって色んな人が来て、色んな人が離れて、日々色々と変わっていく。
でもこっちはずっとやってるし、やってる間はいつでもそこにいる。
それぞれの旅の途中、『帰りたくなったらいつでも帰ってこいよ、待ってるぞ』っていう帰路の歌。
「LYNFIELD SUN」て曲はメジャーコードで明るい曲やねんけど、歌詞の内容は暗い。
今の自分やったら絶対考えへん事やけど過去にどんよりしてた頃があった。
『昔に戻りたいなぁ』て思ったりしてる時期がありまして。
そんなネガティブな気持ちを明るいメロディーに乗せて、前向きなビートでやろうというのがこの曲のテーマ。
「ONE FOR MY BABY」も後ろ向きな曲。人や金や持ってるものを全部失って独りで死んでいくって曲やねんけど、
その曲が明るいメロディーと軽快なビートに乗ることで、なんかちょっと前向きに感じるというか。
『全部失ったけど、まぁなんとかやるさ』って曲。
「BREAKING BAD BLUES」も暗い内容かな。世の中的な線引きがあったとして、
こっちに居とけば幸せになれるのにそれができなくて不幸せになっちゃってあれもこれも失くすみたいな。
『結局馬鹿な生き方しかできないポンコツなんやからしょうがないよね』みたいな。
基本的に歌詞は後ろ向きな内容の方が多いかな。
ひたすら前向きな曲が書かれへんくて(笑)毎日楽しいなんて嘘やんか(笑)
コードとかメロディーが明るい分、歌詞でバランス取りたいってのも無意識に働いてるんかな。
陰陽あっての人生で、人生を歌ってる以上、それが自分の中では自然なバランス。
■でも最終的には肯定なるのかな?
O:うーん、、はっきり肯定と言えるほどポジティブな出口は設けてないかな。
あと、人に向けて問いかけるみたいな事は歌ってない。
『俺はポンコツなんで地獄に行くだけさ』って感じ(笑)
人に訴えかけたりはしないし、歌詞はとても内向的やな。
『これが正しいと思ってる。どう!?』みたいなんは一切無い。
よれた男の暗い人生を明るいメロディーに乗せて歌うことに楽しみを見出してる(笑)
それが哀愁やったり寂しさやったり情緒になったらいいなと思って作ってんねんけど。
よれたオッサンががんばろ~って歌ってたら「こいつあかん奴なんやろな~でもなんかセクシーやな~」って(笑)
人間的には下の下やけど、なんかええなぁ~みたいな(笑)
そんな感じの世界を愛してる。おっさん、寂しくて良い背中してんなみたいな(笑)
■ライブでは以前よりもチーム感というか、ステージ上で各々に任せれている強みみたいなものを感じましたがどう思いますが。
O:強くなったんよね。それこそ怪我しまくって、つらいな~ってライブもこれまで死ぬ程あったし。
ライブしたらその都度俺ら話すんよ。あれこれこの日どうやったとか。メンタルの話、フィジカルの話を。
ライブってものを男4人でずっとクソ真面目に考えて、
お互いどういう気持ちを持ってるかっていうのを擦り合わせながらここまで来たから、めっちゃ強いと思う。
昔とは全然違うかな。『格好いいライブ、生き方をしたい』ってことだけに全員が集中してる。
今の4人のライブに対する意識、こんなん言うたらあれやけど、その辺のバンドとは次元が違うと思ってる。
バンド、音楽だけじゃなく、生き様の部分までシェアしてるから。
でもまだまだ目指す形があって、出したい熱量をいつも想像してる。
これが続いてる限りはもっと良くなるんやろからわくわくするな。
■CATCH ALL RECORDSと仕事を始めてしばらく経ちますが、一丸となってサポートし合うファミリー感があるようで凄く良い関係なように見えます。出会いがドラマチックでしたがその後はどうですか?
O:やっぱり変わってないかな。時間が経って目を伏せてられへん現実的な問題もいっぱい出てきたし、良い部分も悪い部分も多分お互いあったとは思うけど、
それでも全然関係性に変わりなく、ただ深さだけが増してる。
良いモチベーションを維持できてるし、何より仲間と何かをやるのは楽しい(笑)
レーベルメイトのバンドも増えてて、『みんなでこれから頑張っていきましょう』って状況なんやろけど、
かと言って別にレーベルメイトって理由だけで仲良くやっていこうとも更々思ってない。
でも、ありがたいことに互いを自然に認め合えるような関係を作れたりしてるからすごいラッキーやなと思う。
家族やけどただの馴れ合いじゃない感じ。とても良い状況やな。
あとはそれぞれバンドの色も違うし逆に言うたらメロコアじゃないの俺らだけで、
『CATCH ALLはメロディックのレーベル』てイメージが付いてるのは確か。
だからこそ俺らにしか出来ない事を考えたいなとは常々思ってる。
■以前どこかで冗談混じりに(自分達のサウンドを指して)新型のメロコアと言ってましたが、あながち間違ってはないと思います。
勿論意図的ではないにしろそういったメロディックパンクやこれまでよりポップなフィールドでも勝負をしかけていけるサウンド、やっていきたいという意思を感じますがどうでしょう?
O:それはもうめちゃくちゃ思ってるよ。メロコアに限らず。
おもろい奴おるんやったらそいつらとやってみたいし刺激が欲しいっていうのが何よりやから。
ポップスでもなんでもええライブするんやったらそいつと勝負してみたいってずっと思ってる。
ただどんだけキレイ事言うても、音楽的に多少はリンクする面がないとジャンルの壁ってのはなかなか越えられへん。
これは実際に色んなバンドとやってみて思った事。
『誰とでも勝負できますし誰とでもやりまっせ~』言うたところで、
やっぱ壁ってのは絶対にある。
そういうのを少し溶かしてくれんのは音楽的にリンクする部分やクロスオーバーした所やと思う。
それがあるからメロコア好きな人も俺らの事聴けるんやと思うし。
あとはごっついライブしておもくそ放り込んだらもう壁もへったくれも無くなってる。
そういうのが今はとても楽しいからもっと勝負していきたいな。
■今回リリースに合わせて約50本のツアーが組まれてるあたりからも今回のアルバムでやっと勝負に打って出れるていうような意気込みを感じますが。
O:もうこればっかりはベタ踏みでいこうって決めてたから。
音源を出してツアーを回るってところまで、今の自分らが持っている全てのエネルギーを注いで行おうって。
結果なんかどうでもええから、とにかくギリギリのところまでやる。
とにかく出し切るってテーマがあったから、それだけ考えてツアー組んだしアルバムも作った。
何の為にそのギリギリを探すんかて言うたら、全部ライブの為。
50本やって帰ってきた頃、もし辞めんと生き残っとったら絶対今よりもライブかっこええやろ。
ほんまそれだけ。
■ライブにそれだけ拘る理由ってやっぱりお客さんとのリアルタイムのコミュニケーションの場だからでしょうか?
O:う~ん、そうかな。それもやけど、なんかケンカ強いのと一緒やねんな。
男の子ってさ強い奴になりたいやん。みんながそうじゃないかも知れんけど。
んでバンドの中でいっちゃん強いのって音源を十万枚売ったヤツよりもライブがカッコええヤツやと思ってんねん。
CD1枚しか売れなかろうがライブめちゃめちゃ良いヤツが最強やと思てんねん。
それ人間が強いて事やから。
お客さんに楽しんでもろて自分らも楽しんで、結果フタ開けた時に誰が一番強いのか。
そういうのにワクワクしちゃうから今でも。

THE DISASTER POINTS
[FOR ONCE IN MY LIFE]
CATCH ALL RECORDS
CKCA-1058
¥2300(税抜き)
結成8年にしてやっと出た感満載の大阪ストリートパンク若大将THE DISASTER POINTSの初のフルアルバム。
本人自ら「禊」と発言している通りこれまでの総決算的選曲内容でありながらこれぞディザスターポインツ!な豪快かつ爽快で野太いコーラス満載のパンクロック11曲収録!
本能的な危機感を煽られるサイレンが鳴り響くイントロから一気になだれ込んでくるライブで鍛え上げられた曲の数々が体当たりしながらあっと言う間に駆け抜ける。
新曲旧曲関係無くどこを切っても過去最強の状態(当たり前やけど)で
家で一人で聴いてると拳が上がりライブを渇望してしまう出来栄えでさりげなく滲む哀愁とテンダネスに色気が宿り生き方が落し込まれた音の数々が幾多の夜をくぐり抜けて辿り着いた傷まみれの境地。
言葉にすると安くなるけど本当に生き様みたいなものが刻まれてると感じます。
佐野淳(大阪心斎橋HOKAGE/毘盧遮那/やじん)
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