野ばら

雨上がりの深い緑

したたり落ちる透明な雫

その清らかさはすべて

あなたの記憶へとつながってゆく



白い朝の窓辺で

まぶしそうに振り返るあなた

ただ幻となり

今はただそこに

風が吹いているだけ



あまりにも大事な何かをなくしたと

気付けどもすでに遅く

重要な欠片は

あなたが持ち去ってしまった

埋まらないパズルを残して



たった一粒なのに

永遠の未完成

おいてきぼりの心

たとえそれが小さくたって

足りないことの重さよ