わたしは夫の名刺入れから抜き取った女のメッセージ入りの名刺を見せて法テラスの弁護士に相談した。

夫との離婚、不倫女への慰謝料請求訴訟だ。


わたしと同年代くらいの男性の弁護士で、そっけないひとだと思ったが「絶対に勝てる案件なのでウチにやらせてください」と言った。

わたしも何度も通っては来れないし、早く決着したかったので契約した。

法テラスは2回まで相談無料だったので、契約しても次の相談までは無料だった。


着手金は父が払ってくれた。


弁護士が言うには、名刺のメッセージでも戦えるけど、証拠としては弱いと言われた。

夫と女が口裏合わせればいくらでも覆されてしまうと。


そこで策を授けられた。


わたしから夫に連絡をして、復縁したいと伝えるというのだ。



どう考えてもうまくいく気しかしない。

わたしは弁護士事務所を出てすぐに携帯から夫に電話をした。


夫「こっちに来てるの⁉️今から会おう」


わたし「ごめんね。会うことはできない。でも、わたしとやり直したいと思っているなら、彼女とふたりでわたしに謝罪してください。

同じ会社で働いてるんだから、別れたと言っても信用できないわ」


夫「別れたから❗️もう会わないし仕事の話以外はしないから❗️とにかくふたりで話そう」


わたし「ふたりでは会わない。わたしとやり直したいと本気で思っているならわたしのために努力して見せてよ。彼女よりもわたしを愛していると証明してみせて。彼女を連れてこなければ、あなたはわたしよりも彼女を守ったと思うわ。

彼女を連れてわたしの家に来て、不倫を謝罪して、もう会わないと一筆書いて。印鑑も押してね」


夫「。。。そしたら本当に戻って来てくれるのか❓」


わたし「約束するわ」



んなわけねーじゃん真顔


わたしの目的は離婚なので、夫が来ようが来まいが、わたししか得しない取引なのだ。



そして、11月の寒い夜、夫は彼女と一緒にわたしの家に来た。