わたしには弟が2人いる
仮名で、太郎と次郎としよう。
太郎はわたしと年子、次郎は4歳離れている。
太郎には数年前からお付き合いしている女性がいるのだが、彼女は20代後半、太郎は47歳
彼女は太郎と同じ会社の事務員さん。
お仕事はできる子らしく、現場職の太郎は彼女のしっかりしたところが好きみたいだ。
どうやら彼女のアパートで同棲しているようだが、用心深い太郎は自分のアパートは解約していない。
以前。。。
彼女が太郎にオムライスを作ってくれた。
素朴な家庭のオムライス、そしてなによりも彼女が作ってくれたことに太郎は感激して美味しい美味しいと食べた。
そしてお礼に太郎もオムライスを作ってあげたのだが、つい本気を出してしまい、トロトロ玉子のプロっぽいオムライスを作ってしまった
それからというもの、お料理は太郎が担当。
太郎のケータイのデータフォルダには素敵なお料理の写真がたくさん。。。もしも誰かが太郎のケータイを見たら、アラフィフのオッサンのケータイとは誰も思わないだろう
どう見ても素敵主婦のケータイだわ。
彼女の誕生日、「何か欲しいものある❓」と太郎が尋ねると。。。
彼女「結婚式とかででてくる、伊勢エビをふたつに割ってマヨネーズみたいなので焼いたの食べたいです。
あと、伊勢エビをエビフライにしたらどうなるんですかね」
。。。。。
太郎はすぐさま海へと車を走らせた。
太郎の同級生が経営している魚屋に行ったのだ。
そして両手に生きた伊勢エビを持って腕をクロスした満面の笑みの写真を撮る。。。
太郎は顔が怖い。笑っていても怖い。目は大きいが三白眼なのだ。
エビを持って笑っている殺し屋にしか見えない。。。
そして仕上がった伊勢エビのマヨネーズ焼きとエビフライは。。。
盛り付けまで完璧なお店クオリティであった。。。
すっげ。。。
彼女はキッチングッズが好きだ。
オーブンも高いものを買っているし、食器にもこだわりがある。最近は九州各地の蚤の市をめぐって逸品をさがしている。
運転は太郎である
太郎「ブンブンチョッパーも使いこなせないくせに、野菜の水切りグッズとか買おうとしてるし。。。」
夫「太郎くん、ブンブンチョッパーってなに?バイクかなんか?」
太郎「え、おにいさん知らないんですか?野菜をみじん切りにする便利なキッチングッズですよ」
太郎「買っても使うの俺なんで、色々買って来ないで欲しいんですよね。置くところなくなっちゃうから。。。まあ、俺も家事ヤロウを見ると色々欲しくなっちゃうんですけどね。前はホームセンターに行くと工具ばかり見てましたけど、今はキッチングッズ見るのも楽しみで。。。」
家事ヤロウ
ウチはそんな番組見ない❗️
太郎「え、今俺がいちばん好きな番組だけど❓」
太郎はスタバは嫌いらしいがKALDIや無印良品は好きだ
太郎「彼女が今、KALDIの生クロワッサンにハマってて。。。冷凍した生地のまま売ってて、食べる前にオーブンで焼き上げるんだよ」
わたし「KALDIじゃないけどテレビで見たよ❗️滝沢カレンちゃんが紹介してたフランスの冷凍食品の会社。。。ピカールだっけ❓サーモンのパイ包みとかおいしそうで、わたしもすぐに調べたもん」
太郎「。。。同じ番組見たんだよ。で、似たものがKALDIにあるって知って買いに行ったわけよ。まあ、俺もラザニアの生地買うのはKALDIだからいいけど。。。」
ラザニア⁉️
太郎「スタバは俺は苦手だけど彼女は好きだからモバイルオーダーしてドライブスルーするんだけど。。。コーヒー豆の名前で呼ばれるの恥ずかしいよね。
ザンビア21とか呼ばれるの。
あと、オシャレなカフェにやたらと行きたがる。
俺は居酒屋とかでいいんだけどね。で、よくわからんオシャレなものを食べたがるけど、俺がハマってないのに気づいて『太郎さん、カレーありますよ』とか言うんだよ。俺別にカレー好きじゃないんだけど、とりあえずカレーかパスタを与えとけばいいと思われてるみたいだな」
オッサンにはカレー食わせとけばいいって思われてる
太郎「最近彼女が園芸にもハマり出してさ。。。庭付きのアパートに引っ越したんだよ。。。
あ、家具にもこだわりがあって福岡まで行ってきたけどね。。。実物見てその場でネットオーダーしてるんだけどなんなのどういうこと。。。
あ、園芸な。ギンバイカとかローリエとか。。。色々買ってくるんだよ。ローリエは料理に使えるからいいけどね。。。」
太郎ローリエ使いこなしてんの⁉️
太郎「彼女は買ってくるだけだからね。。。俺がネットで調べて木酢液まいて、毎朝水やりして。。。」
写真を見せてもらったが、どれも可愛らしい鉢に植えられ、映える写真になっている。。。
わたし「ねえ、太郎。。。付き合ってると思ってるの、アンタだけじゃない❓」
太郎「え⁉️」
わたし「彼氏というより。。。アンタかなり有能な執事よね。。。」
次郎「若い女と付き合うにはそれくらいやらんといけんのか。。。」
わたしも夫の使い方がまだまだ甘いわね。
彼女を見習わなければ。。。