少し前まで蝉の声がうるさいほどだった
ガレージや駐車場でうずくまる姿を見つけては会社前の鉢に寝かしてた
  
それがいつの間にか昼間の声から夜の鳴き声へと変わる
店内にも数匹コオロギが入って来ててうろうろ歩いてる
中にも鉢はあり水分も補給できるから問題ないだろう
  
深夜になると鳴き声が響いてくる
スズムシを飼育していたような箱などなく
毎夜、鳴く場所が違ってるから面白い
   
腰掛けてる椅子の目の前まで歩いてくるときもあるけれど
写真を撮ろうとするとどこかに消えてゆく
  
深夜1時過ぎ頃に会社を出るまでの間
彼らたちの鳴き声が店内に広がり、弦楽器のような繊細な音色を聴かせてくれる
その音は自転車で帰るときにも各家の庭からも聞こえてきて
初夏から聞こえて来てたカエルの声が懐かしい
  
自転車から東の空を見上げると
オリオンがずいぶんと上の方まで上がってる
車では味わえない季節感が自転車なら味わえる
  
大勢で騒ぎはじけるよりも
一人で、偶然生きてる今を味わう
仕事であろうと一つの出来事であろうと
どんな感性を持っているのか、それがその人のセンス
年齢とともに鈍感にならないようにしたいものです