23歳の青年の面接をした
履歴書を見る限り文句はない
専門知識もあるし、複数の資格も持っている
スポーツもしていたし、スーツも似合うなかなかの好青年
職歴を見ると数カ所あり、まずゆっくりと話を聞いた
車の整備やチューニングがしたい
大きな会社では毎日限られた作業の連続となる
小さな会社の方がたくさんの事を教えてくれるからいいよと先輩の話を聞いた
でも、小さな会社は毎日が必死で仕事をしてる
大きな会社のように代わりもいないし
何よりも責任はすべて自分で、行動や言葉に終いをつける必要がある
少数精鋭部隊は体力、特に気力を消耗する
ほとんどが僕の勢いについて来れずに辞めて行く
会社のカンバンは自分たちで守って行くしかない
真面目に命張って仕事してる
カンバンと言うのはヤクザだけにあるモノではない
病院でも学校でもレストランでもホテルでも、すべての仕事に当てはめられるもの
入社希望するからには、会社に対してどんな利益を生み出せるから雇って欲しいと話を聞かせてくれと言った
言えない・・
一人で作業出来るのかと聞けば、サブ的な仕事しかしてきてないから教えてもらわないと出来ないとの答え
普通は、大きな会社で仕事が人以上に出来て、ココでは自分の力が埋もれてしまうとか
会社と言う大きな組織の中では、自分がこれ以上伸びない、伸びる必要性が求められないと感じたとき
周囲を見渡せば、みんなが安全パイの生き方を望んでいて、自分の居場所がないと判断したとき
そんな時に、小さな会社で勝負するとか
自分で独立して、どこまで出来るかかけてみるとか
それが、セオリーというモノだと言った
人生は一度きりやからと、野心に燃えてるか?
今の君はセオリーを無視してる、苦労や努力をしていない、燃えたぎるパワーも感じない!
一つの組織に見切りをつけるまで成長していない現実を伝えた
セオリーを無視してまで働きたいなら勤務条件は悪くて「見習い」とか、「でっち」から、始める覚悟はあるのか?
その答えには、すいません僕が甘く見ていたようでしたと言葉が出る
この子だけに面接なんと1時間以上を費やした
これから成長するには、まずは大切な一歩だから良いことだけど
もっと意識を高く持って頑張らないと前には進まない
そんな話を雇わない青年に語ってしまった
早く帰りたかったかもしれないな・・
甘い考えは打ち砕かれてこそ、一回り大きくなると信念を持つ
褒めて育てるのも良いけれど、知らぬ間に出来た天狗の鼻を折る事が一番重要
褒めるよりも、厳しさをたたき込む
なぜか?
いざというときに、逃げ出さないようにするため
守ってくれる組織がないからには、自分で自分を守るしかない
守る事=攻めること
群れの中で居たときとは違う
周囲は天敵だらけ
志のあるホントの味方を探すまで、こころの中も一人だ
面接の青年、ダートウエイでの面接がいいキッカケになって欲しい
その日の夕暮れ
白く光る三日月
小さく黒いのはコウモリ
空の青さが柔らかくて気持ちいい一日の終わり
暮れて終わるのではなく、明日の始まりへと続いてる