キラキラネームというワードがトレンドに上がっていたので、来るかなあ…と思っていたら、やはり。
 
キラキラネームで苦労して、高校卒業と同時に改名した友人から、連絡がありました。
 

◾︎キラキラネームの高校生「いじめられて辛い」と改名希望…親は反対、どうしたら?

(引用元 https://news.livedoor.com/lite/article_detail_amp/19689717/? 以下、斜体部分も同様)
 
いわゆる「キラキラネーム」を付けられた子どもたち。名付けた親としては、その名前に様々な願いや愛情を託したのかもしれません。しかし、当の子どもは、成長にともなって複雑な思いを抱くことも多いようです。
 
弁護士ドットコムにも「キラキラネームで悩んでいます。どうすれば改名できますか」という高校生からの相談が寄せられています。
 
相談者は「珍奇な名前のせいで、小さな頃からいじめられ、精神的に病んでしまいました。人前で、自分の名前を言うこともできません」と追い詰められているようです。高校では通称名で呼んでもらっており、できることならば改名したいと考えています。
 
この高校生は改名について親に相談してみたところ、「親の気持ちも考えろ」と怒られてしまったとのこと。
「いじめられて散々傷ついたこちらの気持ちも考えてほしい」
と、親に対して怒りを抱いています。
 
このニュースを、実際にキラキラネームから改名した友人(30代女性)に聞くと、怒りを超えて笑いながら言いました。
 
「この子も、親、一生恨むよ」
 
 

◾︎◯◯姫の学生時代

友人の元の名前は、◯◯姫。

姓は日本人に多い上位10件に入るような、一般的なものですが、名前の方は「童話のお姫様の洋風の名前に、複雑な漢字を当てた」、本人曰く、
 
「暴走族がバイクにシールで貼るやつ」
 
……みたいな名前でした。
本人に言われたからといって、そうだね〜と肯定していいものではありませんが、その説明で納得する人は多いだろうな、というような名前です。
 
「学校、病院、役所、そういう所で呼ばれると、必ず二度見されるんだよね」
 
当て字ながら読みづらくはないので、間違えられることはなかったそうですが、お姫様そのままの読みなので、呼ばれるととにかく恥ずかしく、繰り返し呼ばれないよう受付のそばにいたり、マスクで顔を隠したりしていたそうです。
 
「そんなだから、当然学校では『姫ちゃん』『◯◯姫』って呼ばれて。メイクもできない年齢の、日本人顔なのにね。なんでドレスで来ないのとか、家普通だねから始まって、まあ、悲惨なもんだったよ」
 
他のクラスからわざわざ教室を覗きに来て、
 
「あの顔で◯◯姫?」
 
と笑われた時には、好きで名乗っているわけじゃないと、本当にくやしかったそうです。
 
持ち物の名前を書き変えられたり、集会中にわざわざ大声で呼ばれたりもあったようで、
 
「中学までが、ほんとに悲惨だった」
 
この名前でさえなければ、と思う場面が多く、それでも親は聞く耳を持たず、耐えに耐えていたそうです。
 
ですが、高校に進学した時に、状況が変わりました。
 
◾︎友達が名付け親
そんな彼女の状況が好転したのは、高校の入学式。
式の後、新しい担任に呼ばれ、こう言われたといいます。
 
「名前で苦労したって、中学からの申し送りで見たよ。高校でも、名前のことが心配?」
 
もちろんだ、と答えると、その担任が言ったそうです。
 
「そしたら先手を打っちゃおう。この後自己紹介があるから、名前を言った後に、この名前で苦労したので、◎◎って呼んで下さいって言ってごらん」
 
自分の呼ばれ方を、自分で指定する。
それまで受け身だった彼女には、思ってもみない提案でした。
 
ただ、咄嗟に呼び名が浮かばないまま、自己紹介の順番が来てしまった彼女は、
 
(これでダメでまたいじめにあうなら、もう学校は辞めよう)
 
そう腹を括って、大きな声ではっきりと言ったそうです。
 
「私の名前は◯◯姫です。ただ、この私には不釣り合いな名前のせいで、ずっといじめられてきました。だからもう、この名前で呼ばれたくありません。私に似合う呼び名を、誰か考えて下さい」
 
キョトンとするクラスメイト。どうしよう、と思った直後、担任からの援護射撃がありました。
 
「まだどんな人かわからないから、呼び名を考えてくれる人は、ホームルームの後に残って下さい。趣味や好みから考えてみたら良さそうですね!」
 
ホームルームの後は、クラスの女子全員と、数人の男子が残ってくれて、質問責めに合ったそうです。
結果、彼女の呼び名は、好きなアニメの登場人物で、髪型が似た子の名前をもじったものに決定。
 
そこに担任が漢字と意味をあてたものが、改名した彼女の、今の名前になっています。
 
 

◾︎親の同意がなくても「15歳以上」なら改名可能

「姓名の「名」を変更するためには、家庭裁判所の許可を得て、市区町村役場に届け出る必要があります。
家庭裁判所の許可を得るためには、「正当な事由」が必要とされています(戸籍法107条の2)。
 
「正当な事由」には、「奇妙な名」「むずかしくて正確に読まれない」場合などが挙げられる、とのこと。
 
裁判例としては出生届の不受理が問題となった事案で、「難解、卑猥(ひわい)使用の著しい不便、特定(識別)の困難などの名は命名することができない」と判示されたものがあります。
(名古屋高等裁判所昭和38年11月9日決定)
 
自分自身で名前の変更許可の申し立てができるのは、15歳以上から。
15歳未満(14歳以下)の場合は、法定代理人(親権者等)が代理をすることが必要。
 
冒頭の高校生の女の子が自分で手続きを取れば、ご両親との関係が難しくなりそうですが、それでもなんとか…と思ってしまいますね。