昨日の、日大アメフト部 宮川選手の会見。
監督やコーチへの思いを語らず、どのような指示だったとしても、従った自分の弱さ故のものであるとした宮川選手に同情的なメディアが多く、少し安心した。
もちろんスポーツマンとして、どのような指示があったとしても、ルールを破る事はしてはならない。
それが相手を負傷させる事を目的としているのなら、尚更だ。
だが、会見であれだけきちんと話せる青年に、そうするしかないと思わせるほど、心理的に追い込んでいった監督陣が、宮川選手に対して出した指示は、もはや脅しではないのか。
部のOBからの呼び出しを、弁護士が断るよう指示したことから、日大、体育会、OBの在り方も、透けて見える。
大学と部は独立した別物として、何のコメントもしてこなかった日大が、ようやく広報部から出したコメントが、それを示していた。
アメリカンフットボール部・宮川選手の会見について
2018年5月22日
本日、本学アメリカンフットボール部の宮川泰介選手が、関西学院大学フットボール部との定期戦でルール違反のタックルをし、相手選手にケガを負わせた件につきまして、心境を吐露する会見を行いました。厳しい状況にありながら、敢えて会見を行われた気持ちを察するに、心痛む思いです。本学といたしまして、大変申し訳なく思います。
会見全体において、監督が違反プレーを指示したという発言はありませんでしたが、コーチから「1プレー目で(相手の)QBをつぶせ」という言葉があったということは事実です。ただ、これは本学フットボール部においてゲーム前によく使う言葉で『最初のプレーから思い切って当たれ』という意味です。誤解を招いたとすれば、言葉足らずであったと心苦しく思います。
また、宮川選手が会見で話された通り、本人と監督は話す機会がほとんどない状況でありました。宮川選手と監督・コーチとのコミュニケーションが不足していたことにつきまして、反省いたしております。
日本大学広報部
テレビで見ていただけの私でも感じたのだから、会場にいた記者達は、もっと強く感じたのではないか。
350人の記者に囲まれても、しっかりと顔を上げて謝意と事実を語り、誰を責めることもなく、一人頭を下げた20歳の青年の、絞り出すような言葉。
それを、日大は『心境を吐露する会見』とした。
私はそこに、憤りを感じた。
あれを愚痴だと言って、済ませようとしているのか…。
これはつまり、宮川選手が語った経緯を、事実確認を求め、伝える為に提示された記録とは捉えず、ただの恨みごととして扱うつもり、ということなのか。
冒頭にこれがあるから、続く言葉のどこを取っても、何の真摯さも感じない。
厳しい状況にありながら、敢えて会見を行われた気持ちを察するに、心痛む思いです。
心痛むじゃないだろうと。
完全に他人事だし、会見も、敢えて行ったのは、大学が学生を守らないから、本人がやらざるを得なかったのだろう。
本学といたしまして、大変申し訳なく思います。
これは、誰に対してなのか。
謝罪をするなら、まずは関学大のQB選手やご家族、関係者に対してではないのか。
監督からの指示を、
「よく使う言葉で『最初のプレーから思い切って当たれ』という意味」
「誤解を招いたとすれば、言葉足らず」
として、あくまでも、指示した側と受け止めた側の『乖離』で済ませようとする姿勢は変わらない。
日大から出される明日の回答の内容次第では、関学大側は刑事告訴に踏み切るとの事だが、もしそうするのなら、相手は日大であり、日大体育会であり、日大アメフト部指導陣であり、宮川選手個人に対するものでないことを祈りたい。
一人で壇上に立ち、顔も名前も晒して謝罪をした宮川選手は、いい青年だった。
この時代にそうするリスクはわかっていると、会見冒頭に弁護士も話していたが、会見がなくても、どの道ネット上で特定され、プライバシーを掘り返され、叩かれるのだから、自ら前に出たのはそういう意味でも正解だったと思う。
この件が落ち着いたら、アメフトよりも、もっと好きになれるスポーツを見つけてくれる事を祈る。
