『とんねるずのみなさんのおかげでした』打ち切り後、同じフジテレビで始まった新番組『石橋貴明のたいむとんねる』。


大苦戦中の番組視聴率が、業界内でも話題とのことで調べてみると、


初回 3.9%

2回目 2.9%

これはひどい。


でも、石橋貴明という名前は、急上昇ワードに上がっている。

……と、思ったら、『新番組苦戦』というワードとの抱き合わせ。


どうしてこうなった?



石橋貴明が大好きな層


日本人は、二種類に分けられる。

バブルを知っているか、知らないかだ。


とんねるず、そして石橋貴明を大好きで、石橋貴明も大好きな相思相愛の層は、おそらく前者だろう。


そして、その前者が、おそらく今のフジテレビを回している。

だから、こんな番組を作ってしまう。


『野猿』時代の身内ノリの楽しさを引きずって、偉くなりすぎたとんねるずの誤りや弱点を、誰も指摘できないまま、オラつかせてしまっている。


とんねるずと同世代のスタッフも、一緒に偉くなって、一緒にオラついていると思われる。


新番組は『大人のノスタルジーを刺激するトーク番組』がコンセプトということだが、この、おっさん達の『昔は良かった』を楽しめるのは、同じおっさん達だけだ。


その時点で、フジは『おっさん以外の視聴者』を捨てている。

企画、制作、放送の過程で、誰もそこに気づかないのか、気づいていても言えないのか…。


その、言えない層が、石橋を急上昇ワードに乗っけたのではないかと思う。



石橋貴明に辟易している層


正確には、石橋貴明や、そのお取り巻き、そのへんが大好きなあの世代に辟易している層である。


大コケした新番組、それを作ったフジテレビ、それでもオラつく石橋貴明、この構図は、そのまま日本中の企業の中に存在している。


バブルを引きずり、不況育ちの若者に『昔は良かった』と黄金時代を語ってオラつき、そのテンションでわけのわからない企画を立ち上げ推し進め、コケたら若者のせいにするのだ。


「疑問があったなら、企画段階で、なんで言わなかったの?」

と言われても、オラつく上司を呆れて眺める、現代の若者は、指摘なんかしないし、そもそも興味も持ってくれない。

(どうせダメだろ。言っても聞かないから、指示にだけ従っとこ…)


そうやって、空気を読んで争いを避けていくのが、若者の流儀だ。


時々、疑問をぶつけて上司と争い、互いに受け入れて、可愛がり、可愛がられるミラクルがあり、そういう企業が伸びていくのだが、残念ながら、そんなケースは稀である。


なにせ若者は不況生まれ。

生まれた時から不況で、バブルなんて生まれる前の昔話で、ブランド品なんて雑誌の付録で満足、持ってるヴィトンはバブル育ちのママのおさがり、100均グッズと無料サービスで楽しむテクを自慢するような、キラキラしているように見えて、実はしっかりしている世代なのだ。


そんな彼らが、バブル世代の上司に疲れて帰った後に、石橋貴明を見たいだろうか?



石橋貴明を、新番組苦戦というワードと共に、急上昇ワードに押し上げたのは、彼らだ。

石橋貴明を好きな人間が、そんなワードで、彼を検索するだろうか?

それを考えれば、フジの間違いも見えてくるはずだが…、


見えていて、いちいち指摘しない若者も、たくさんいそうなので、ほんっとに、何が起こってるのか、考えた方がいいと思う…。


誰も叱ってくれなくなったら、おしまいだよ。