ゴールデンウィークに合わせたのか合わせていないのか、人工衛星関連の仕事でNASAに出入りしている、近所の奴が帰省してきた。
5日にNASAが新型の火星探査機『インサイト』を打ち上げたばかりなので、色々と聞きたかったのだが、
「え、やだ言えない( ˊ̱˂˃ˋ̱ )」
と言われ、NASAの職員しか買えない?らしいカレンダーを渡された。
(NASAのお土産屋さんで売ってそうな気もする)
カレンダーを見ると、祝日が違う。
なんか星とかマシンとかの写真がいっぱいで、解説が、
「読めない…」
「俺も読めない(^-^)」
いやオマエ、説明めんどくさいだけだろと。
だからめちゃくちゃ頭いいのに、宇宙飛行士の選抜落ちるんだよと。
……いや、言わないけどさ。
とりあえず、聞ける事だけ聞いてみた。
ちなみに彼の、ちょっとむかつくけど口に出すほどではない、わずかな不快感と、そこにハマッていく感じを、語尾に顔文字をつけて表現してみる。
頭が良すぎて、ちょっと変な奴だけど、悪い奴ではなくて、でも、やっぱりちょっと、変な奴である。
「そもそも、なんで火星調べるの?」
「調べると、得する人がいるからだよ(^-^)」
いきなり核心である…。
「え、誰……」
「地球のみんな\(^-^)/」
幅広いなオイ。
そこからの説明が長かったので、要約する。
まず、本当に調べたいのは、地球。
地球の構造や成り立ちを解明したい。
それを解明する事で得たいのは、資源。
現状利用している資源が枯渇する前に、新たな資源を見つけたい。
安全で、パワーのあるやつがあれば、すごくイイ。
原子力よりも安全なやつ。
でも、地球は調べる方法があるし、もう、みんなやっているし、大学や民間企業でも可能。
宇宙から地球の資源や地盤なんかを調べる為の、地球を探査する為の人工衛星なんかも、既にガンガン飛んでいる。
地球の可能性を探るのは、もう、そっちに任せる。
そんなわけで、こっちはもっとデカい予算つけてもらわないとできない事をするってことで、月の次に行きやすい火星を調べたい。
地球と同じ、岩石惑星だから。
生命が誕生する前の地球に似ている(かもしれない)火星を知る事は、地球を知る事にもなる。
火星の成り立ちがわかれば、地球では得られないヒントを、得られるかもしれない。
そんなところだそうだ。
「でも、他にもあるんだよね(/ω\)」
ここで、なぜか照れ始める。
どうした……?
「子孫が地球から活動域を広げて、火星に移住できるように、準備しときたいのもあるんだ(/∇\)」
それはかなり前から周知されているし、漫画にも、アニメにも、映画にもなっている。
なっているからこそ、逆に、現実味がないのだが…。
「テラフォーミング(人類が住める環境に、惑星を造り変える)って、ガチなん?」
「結構ガチ\(//∇//)/」
2030年以降に、火星への有人探査を目指す国は、複数ある。
日本も、そのうちのひとつだ。
月までは約38万キロだが、火星までは、約5500万キロ。
往復に約3年かかり、その間、宇宙飛行士達は、閉鎖環境でのストレスに加え、発がんリスクを高める宇宙放射線にもさらされる。
従来の宇宙船の外壁では遮断できないので、より強靭な物を、できれば低コストで作れるように、研究中だそうな。
また、人間を運ぶ以上、食料や水の問題も、当然出てくる。
現在は、コップ1杯の水を宇宙ステーションに送るのに、約10万円くらいかかっている。
金がかかりすぎだし、そもそも物資を積もうにも限界があるしで、自給自足や、水の浄化方法なんかの研究も、もっと進めなければならない。
閉鎖環境内での自給自足の生活を、まず地球上の実験施設で確立しようと、
ガラス張りの巨大な空間に、熱帯雨林、海、湿地帯、サバンナなどの環境を世界各地から持ち込んだ動植物で再現して、8人のチームを2年で入れ替えながら、100年経過を観察する『バイオスフィア(アメリカ/最初の2年で頓挫)』
模擬宇宙船の中で520日を過ごし、火星に降り立つシミュレーションまでを行う『MARS500(欧州・ロシア/無事に実験終了)』
……等の実験を、行なってはいる。
これらの実験を踏まえて、国際宇宙ステーションで、有人宇宙滞在の研究を行なって技術を確立し、2030年以降に
(中国は2050年以降にと表明している)、火星への有人飛行を…という取り組みは、
「技術の開発競争でもあるんだけどさ。
でも、やっぱロマンだよね。
ロマンで国家予算とか使っちゃうのもアレだから、いろんな企業にスポンサーのお願いもするんだけどね(._.)」
そう言いながら見せてくれた、火星探査機のプロトタイプなんかには、確かに、いろんな企業のロゴが入っている。
「まあ、最初に仕分けられちゃうとこではあるんだけど。
フロンティア精神があったから、アメリカ大陸も発見できたわけで、それが今日の発展に繋がってるわけで(*´꒳`*)」
「でもアメリカ、先住民おったで」
「火星にもおるかもな(-_-)」
「YouTubeのさ、火星探査機からの動画とか写真とかに、生き物っぽいの映ってたやつ、あれ、本物?」
「なんかローソンで野菜とか売り出したのって、最近(・∀・)?」
「え、待って、ローソンじゃなく、火星、なんかいる?」
「以上が既に周知されている、現時点でお話できる情報です」
「え?」
「え(╹◡╹)?」
火星の生物の可能性を聞いたら、はぐらかされた。
怖すぎて震える…。
私はあと40年くらいは生きるのだろうが、その頃、人類は、どこまで行けるようになってるんだろう。
今、飛行機に乗るくらいの手軽さで、月くらいなら行けるようになってるんだろうか。
そんなことを思いながら、隣の奴を見る。
「エリア51って、墜落したUFOとか、グレイ型宇宙人とか、いる?」
「その質問、飽きちゃったから聞かないで( ^ω^ )」
やっぱり怖い。
火星が怖いとこじゃなければいいなと思った。
子孫が行くかもしれないから。
