2014年9月4日
中日春秋
 政治家には、どんな資質が求められるのか。英国の名宰相チャーチルの有名な言葉がある。「明日、来週、来月そして来年に何が起きるか予言する能力。そして、どうしてそれが起きなかったかを説明しうる能力だ」
▼こんな予言をした政治家がいる。「女性が首相や財務相、外相になることは、私が生きている間にはないでしょう。いずれにせよ私は首相になりたいとも思いません。全身全霊をささげなくてはなりませんから」
▼発言の主は、当時四十代半ばの中堅政治家だったサッチャーさん。五十三歳で英国初の女性宰相となった彼女が、自らの予言が外れた理由をどう説明したかは知らぬが、こんな言葉を残している。「政界で何かを言ってほしいなら、男性に頼みなさい。何かを実行してほしいのなら、女性に頼みなさい」
▼そんな実行力に期待したのだろうか。安倍首相はきのうの内閣改造で、過去最多に並ぶ五人の女性閣僚を誕生させ、「女性活躍担当相」なる職まで新設した
▼名前負けせぬ活躍を期待したいが、新閣僚らにいま一度、目を見開いてもらいたい現実がある。母子家庭では、働くお母さんの四割以上が非正規雇用。一人親世帯の貧困率は54・6%に達している。「女性安心担当相」を設けた方がいいくらいだ
▼この問題を放置し続けたら、どうなるか。政治家ならば、それをきちんと予言してほしい。