中日春秋
2014年7月16日
英語のハンマー(hammer)は「槌(つち)」のことだが、動詞として使う時には、意外な意味も持つという。ハンマー・アウト(hammer out)と言えば、「激しく意見が対立する問題を、粘り強い調整で合意に持ち込む」との意になるそうだ
▼確かに国と国の利害が複雑に対立する国際会議では、木槌を手にした議長があちらを叩(たた)き、こちらをへこませ、妥協点を探る。見事に合意に至れば、議長が木槌を誇らしげに打ちたたき、議場は拍手に包まれる
▼二〇一〇年の秋に「名古屋議定書」が生まれた時も、未明までぎりぎりの交渉が続いた生物多様性条約締約国会議の議場に、ハンマーの音が響いた。貴重な生物資源の恵みを、どう分かち合うか。議長国・日本が、先進国と途上国の厳しい対立を超えてまとめ上げた文書は、「歴史的収穫」とも評された
▼名古屋の名を冠したその議定書が、この秋ようやく発効するというのに、日本は産業界などとの調整が遅れて、締結の目途が立っていないという
▼日本は、先進国の温室効果ガスの削減義務を定めた「京都議定書」からも既に離脱している。こちらも産業界との調整を進められず、温暖化問題の主導者どころか、「周回遅れ」と評される始末だ
▼NAGOYAにKYOTO。環境先進国として世界に誇りうる二枚看板が、無策のハンマーで打ち壊されてはいないか。
2014年7月16日
英語のハンマー(hammer)は「槌(つち)」のことだが、動詞として使う時には、意外な意味も持つという。ハンマー・アウト(hammer out)と言えば、「激しく意見が対立する問題を、粘り強い調整で合意に持ち込む」との意になるそうだ
▼確かに国と国の利害が複雑に対立する国際会議では、木槌を手にした議長があちらを叩(たた)き、こちらをへこませ、妥協点を探る。見事に合意に至れば、議長が木槌を誇らしげに打ちたたき、議場は拍手に包まれる
▼二〇一〇年の秋に「名古屋議定書」が生まれた時も、未明までぎりぎりの交渉が続いた生物多様性条約締約国会議の議場に、ハンマーの音が響いた。貴重な生物資源の恵みを、どう分かち合うか。議長国・日本が、先進国と途上国の厳しい対立を超えてまとめ上げた文書は、「歴史的収穫」とも評された
▼名古屋の名を冠したその議定書が、この秋ようやく発効するというのに、日本は産業界などとの調整が遅れて、締結の目途が立っていないという
▼日本は、先進国の温室効果ガスの削減義務を定めた「京都議定書」からも既に離脱している。こちらも産業界との調整を進められず、温暖化問題の主導者どころか、「周回遅れ」と評される始末だ
▼NAGOYAにKYOTO。環境先進国として世界に誇りうる二枚看板が、無策のハンマーで打ち壊されてはいないか。