中日春秋
2014年6月17日
 世の中のさまざまな出来事を簡潔かつ的確に伝えるために、新聞記者が徹底的に仕込まれるのが、いつ・どこで・だれが・何を・なぜ・どのように…の5W1Hを押さえて書く技術だ
▼これが本当に苦労する。いろいろ工夫して覚えていくのだが、実は料理本が参考になる。どんな材料をどのくらい用意するか、どのタイミングで、どのくらい火を通すのか。なぜそういう手順なのか…
▼5W1Hがきちんと頭に入っていないと、レシピは書けない。子細に書きすぎると読む側は辟易(へきえき)するし、省きすぎれば、わけが分からなくなる。この辺の微妙なさじ加減が難しい
▼全国の書店主らが「料理レシピ本大賞」を創設し、秋に第一回受賞作を発表するそうだ。料理本だから文のおもしろさ分かりやすさだけでなく、何よりおいしくなくてはならない。どんな本が選ばれるか、料理本好きとして楽しみにしている
▼ちなみに、私が推したい一冊を挙げれば、平松洋子さんの『忙しい日でも、おなかは空く。』(文春文庫)。例えば「梅干しごはん」のレシピは、<(1)米2カップを洗ってザルに上げておく(2)鍋に米を入れ、梅干し2個と4センチ角の昆布1枚を埋めるようにして入れ、水を注ぐ(3)ふつうの火加減で炊く>
▼炊飯器で作ってもおいしく、夏バテ気味の体に優しい。レシピが俳句を思わせるほどシンプルなところにまた、味がある。