中日春秋
2014年5月11日
幕末期に完成した落語の「おせつ徳三郎」は現在、前後半に分けて演じられる。後半を「刀屋」という
▼奉公先の大店(おおだな)の一人娘おせつといい仲になった徳三郎は暇を出される。ある日、おせつが他の男を婿に取ると聞かされる。逆上した徳三郎はおせつと婿を斬ろうと決意し、そのために刀を求める
▼3Dプリンターで拳銃を製造した大学職員が銃刀法違反の疑いで逮捕された。溶かしたプラスチック樹脂で立体物をコピーする3Dプリンターと設計図があれば誰でも武器を造れる。その昔カメラのCMで「私にも写せます」というのがあったが、こんな恐ろしい「私にも造れます」はない
▼3Dプリンター自体に罪はない。人工関節、人工動脈が造れる。困った人を助ける夢の機械なのに人間の間違った考えが介在すると悪魔の道具となる
▼「刀屋」が徳三郎をいさめる場面。刀をほしがる理由を山賊から身を守るため、という徳三郎のウソに刀屋が語る。「山賊は人の金品を奪うのが商売。刀何ぞを持っていると相手も手加減しません。およしなさい」
▼容疑者は「銃のない世界は正しい人ではなく、体力の勝る悪人が幅を利かせる」と主張したというが、勘違いも甚だしい。銃に銃で対抗する世界になれば幅を利かせるのはより強力な銃を所持し、殺人を何とも思わない種類の「山賊」であろう。「正しい人」では決してない。
2014年5月11日
幕末期に完成した落語の「おせつ徳三郎」は現在、前後半に分けて演じられる。後半を「刀屋」という
▼奉公先の大店(おおだな)の一人娘おせつといい仲になった徳三郎は暇を出される。ある日、おせつが他の男を婿に取ると聞かされる。逆上した徳三郎はおせつと婿を斬ろうと決意し、そのために刀を求める
▼3Dプリンターで拳銃を製造した大学職員が銃刀法違反の疑いで逮捕された。溶かしたプラスチック樹脂で立体物をコピーする3Dプリンターと設計図があれば誰でも武器を造れる。その昔カメラのCMで「私にも写せます」というのがあったが、こんな恐ろしい「私にも造れます」はない
▼3Dプリンター自体に罪はない。人工関節、人工動脈が造れる。困った人を助ける夢の機械なのに人間の間違った考えが介在すると悪魔の道具となる
▼「刀屋」が徳三郎をいさめる場面。刀をほしがる理由を山賊から身を守るため、という徳三郎のウソに刀屋が語る。「山賊は人の金品を奪うのが商売。刀何ぞを持っていると相手も手加減しません。およしなさい」
▼容疑者は「銃のない世界は正しい人ではなく、体力の勝る悪人が幅を利かせる」と主張したというが、勘違いも甚だしい。銃に銃で対抗する世界になれば幅を利かせるのはより強力な銃を所持し、殺人を何とも思わない種類の「山賊」であろう。「正しい人」では決してない。