中日春秋
2014年3月25日
 ロシアのプーチン大統領のもとに陳情書が届いた。<敬愛する大統領閣下! ここドイツには五百万以上のロシア系住民がいます。私たちはここでひどい目に遭っています。あらゆる場所で、ドイツ語の使用を強いられているのです。私たちを助けてください。軍を投入してください>
▼物騒な陳情だが、もちろんこれは冗談。ロシアの政治小咄(こばなし)投稿サイトで見つけた新作だ。「ロシア系住民の保護」を名目に、ウクライナのクリミア半島に出兵したプーチン政権を皮肉っている
▼「住民保護」という大義の下で、他国の領土に軍を進める胡散臭(うさんくさ)さは、さすがのプーチン氏も分かっているのだろう。それほど立派な大義なら、国旗も付けぬ「正体不明の部隊」「自警団」ではなく、正々堂々ロシア軍として、展開したはずだ
▼ところが、自民党の石破茂幹事長はロシアがクリミアへの軍事介入を決めたことなどを受け、今月三日の記者会見でこう発言したそうだ
▼「(介入は)ウクライナにおける自国民保護ということなのであって、それは日本流に言えば、邦人救出というお話ですから…武力の行使とか、武力介入という言葉とは少しニュアンスを異にする」「…武力行使とか武力介入というお話にはならない」
▼「自国民保護」のためならロシアの荒業も許されるし、日本だって…ということなのだろうか。これは冗談ではない。