中日春秋
2014年1月31日
その少年の理科の出来は散々なものだった。英国の名門イートン校で、生物の成績は二百五十人中二百五十番。他の自然科学の科目も、似たり寄ったりであった
▼十五歳の時の成績表には、こう記された。「科学者になりたいようだが、現状からすると、大変ばかげた考えだ。生物学の基本を学べないのであれば、科学者として働くことは望めないし、まったくの時間の無駄であろう」
▼この劣等生こそ、山中伸弥さんとノーベル賞を分け合ったジョン・ガードン博士。皮膚などに分化した細胞は不必要な遺伝子も含め、あらゆる遺伝子を持っている。分化した細胞を元の何にでもなれる万能細胞に戻すことも可能-という今や生物学の基本となった事実を発見した人物だ
▼ガードン博士が開いた道に、新たな金字塔が打ち立てられたようだ。理化学研究所の小保方晴子さん(30)らが、より簡単に万能細胞をつくる方法を見つけ出したという
▼あまりにも斬新なため、英科学誌ネイチャーに最初に投稿した時は「何百年の細胞生物学の歴史を愚弄(ぐろう)している」とのメールが送られてきたそうだ
▼ガードン博士は酷評された成績表を額装して、研究室の机の上に掲げ続けた。小保方さんも、痛罵されたメールを印刷して研究室に飾るといい。これこそ彼女らの成果が細胞生物学の常識を打ち破ったことを示す、最高の表彰状となるだろう。
2014年1月31日
その少年の理科の出来は散々なものだった。英国の名門イートン校で、生物の成績は二百五十人中二百五十番。他の自然科学の科目も、似たり寄ったりであった
▼十五歳の時の成績表には、こう記された。「科学者になりたいようだが、現状からすると、大変ばかげた考えだ。生物学の基本を学べないのであれば、科学者として働くことは望めないし、まったくの時間の無駄であろう」
▼この劣等生こそ、山中伸弥さんとノーベル賞を分け合ったジョン・ガードン博士。皮膚などに分化した細胞は不必要な遺伝子も含め、あらゆる遺伝子を持っている。分化した細胞を元の何にでもなれる万能細胞に戻すことも可能-という今や生物学の基本となった事実を発見した人物だ
▼ガードン博士が開いた道に、新たな金字塔が打ち立てられたようだ。理化学研究所の小保方晴子さん(30)らが、より簡単に万能細胞をつくる方法を見つけ出したという
▼あまりにも斬新なため、英科学誌ネイチャーに最初に投稿した時は「何百年の細胞生物学の歴史を愚弄(ぐろう)している」とのメールが送られてきたそうだ
▼ガードン博士は酷評された成績表を額装して、研究室の机の上に掲げ続けた。小保方さんも、痛罵されたメールを印刷して研究室に飾るといい。これこそ彼女らの成果が細胞生物学の常識を打ち破ったことを示す、最高の表彰状となるだろう。