中日春秋
2014年1月10日
どんな世界であろうと師弟の縁を切る「破門」とは厳しいものである。一九七八(昭和五十三)年の落語協会の分裂騒ぎで当時の三遊亭さん生(現在の川柳川柳)さんは師匠の三遊亭円生さんと袂(たもと)を分かって、落語協会にとどまった
▼円生さんに決意を伝えると「はなからおまえなんか当てにしてはいなかったんだ」。川柳さんの『ガーコン落語一代』にある
▼数日後、師匠から電話で「いつまでその芸名を名乗っているんだ。すぐ返せ」と怒鳴られた。川柳さんは気分が悪かっただろうが、破門とはそういうもので、円生さんにすればけじめ、「折り目」であろう
▼自民党が東京都知事選で、かつて除名処分にした元厚生労働相の舛添要一さんを支援する方向だという。舛添さんは野党だった二〇一〇年、離党した。自民党が苦しかった時である。「自民党はもう支持されない」と、たんかを切って飛び出した
▼破門した人を支援するなんてなんと心が広いとは決して思わぬ。勝てそうな「玉」を見つけられず、困った揚げ句、舛添さんに寄っかかっただけの話である。党内には舛添さんへの支援に慎重論もあるというがそっちの方が筋が通っている
▼「立て引き」。最近は聞かなくなったが、義理や意地を立て通すこと、と辞書にある。「立て引きの強さ」は江戸っ子の美徳だった。どうにも締まらぬ話を今の人はどう見るか。
2014年1月10日
どんな世界であろうと師弟の縁を切る「破門」とは厳しいものである。一九七八(昭和五十三)年の落語協会の分裂騒ぎで当時の三遊亭さん生(現在の川柳川柳)さんは師匠の三遊亭円生さんと袂(たもと)を分かって、落語協会にとどまった
▼円生さんに決意を伝えると「はなからおまえなんか当てにしてはいなかったんだ」。川柳さんの『ガーコン落語一代』にある
▼数日後、師匠から電話で「いつまでその芸名を名乗っているんだ。すぐ返せ」と怒鳴られた。川柳さんは気分が悪かっただろうが、破門とはそういうもので、円生さんにすればけじめ、「折り目」であろう
▼自民党が東京都知事選で、かつて除名処分にした元厚生労働相の舛添要一さんを支援する方向だという。舛添さんは野党だった二〇一〇年、離党した。自民党が苦しかった時である。「自民党はもう支持されない」と、たんかを切って飛び出した
▼破門した人を支援するなんてなんと心が広いとは決して思わぬ。勝てそうな「玉」を見つけられず、困った揚げ句、舛添さんに寄っかかっただけの話である。党内には舛添さんへの支援に慎重論もあるというがそっちの方が筋が通っている
▼「立て引き」。最近は聞かなくなったが、義理や意地を立て通すこと、と辞書にある。「立て引きの強さ」は江戸っ子の美徳だった。どうにも締まらぬ話を今の人はどう見るか。