中日春秋
2013年12月21日
 童謡「サッちゃん」などで知られる阪田寛夫さんに、「クリスマスだから」という詩がある。<クリスマスだから/かんがえる/たくさんたくさん たくさん/かなしんでいる/ひとの こと>
▼もうすぐクリスマス。どんなプレゼントを贈るか、もらえるか。あれこれ考えるのは、幸せな悩みだ。この週末そろって買い物に出かける家庭も多いことだろう
▼だが、あしなが育英会の奨学金を受ける家庭に暮らしぶりを聞いた調査によると、「十分なおこづかいやお年玉をあげられない」との答えが六割、「クリスマスプレゼントや誕生祝いができない」家庭が三割余あった
▼そういう家庭の子どもたちの四人に一人は、高卒後に就職を志望している。しかし、そのうちの半数は進学したいと思いつつ、経済的理由で希望を断ち切っているという
▼母子家庭の六割は非正規雇用で、平均月収は手取り十三万円弱との調査結果もある。働き盛りの夫に先立たれ、無理を重ねわが子を大学に通わせる母さんが言っていた。「とにかく切り詰めるのは自分のこと。本当に困る時は自分の食事を一日一食にします。娘には『お母さん、やせたよ。食べてないでしょ?』と聞かれるけど、『ちゃんと食べているよ』と、笑って答えます」
▼<どうしてどうして どうして/かなしい ことが/あるのかな/クリスマスだから/かんがえる>