中日春秋
2013年6月24日
 明治以前は、馬が主要な交通手段だった。それ故、馬を語源とする言葉は多い。身分が高い人でも城や社寺の門前は「下馬札」より先は歩かなくてはならず、主人を待つお供の者たちは、人物評などをうわさした。「下馬評」の由来だ
▼さて、下馬評通りというべきだろうか。参院選の前哨戦として注目された東京都議選は自民が圧勝し、公明とともに全員が当選。民主は共産に次ぐ第四党に転落した
▼四年前を思い出す。無名の新人が自民の重鎮を次々と破り民主が圧勝。勢いは直後の衆院選にも続き、政権交代につながったが、オセロ風ゲームのように一気にひっくり返された
▼ほころびが見えてきたとはいえ、安倍政権の経済政策への期待は大きかった。昨年末の衆院選で躍進した日本維新の会は、橋下徹共同代表の従軍慰安婦をめぐる発言が影響して失速した。底力を見せたのは固い組織が背景にある政党だった
▼前回は、風に乗って当選しながら落ち目の民主党から鞍替(くらが)えした議員は苦戦を強いられた。勝ち馬に乗ろうという浅薄さが見透かされた
▼投票率は過去二番目に低かった。半分以上の有権者が投票所に行かなかったのは、政治不信の裏返しだ。勝った自民も胸は張れない。棄権の多さを「白紙委任」と曲解してもらっては困る。参院選はもうすぐそこに迫っている。有権者も「手綱」を引き締める時だ。