中日春秋
2013年6月6日
NHKの連続テレビ小説『あまちゃん』ではヒロインたちが毎日、「じぇじぇ」と驚いているが、盛岡周辺では「じゃじゃ」と言うらしい
▼盛岡出身の同僚に聞いたら、明治生まれのおばあさんが驚きのあまり「じゃじゃじゃじゃじゃっ」と、五回も重ねたのを覚えているという。この同僚、幼稚園で「じゃの付く言葉を挙げて」と言われ、みんながジャガイモとか何とか答えるのを横目に答えたそうだ。「じゃじゃじゃ」
▼東北の言葉の特徴は擬態語の豊かさだと、東北大学で方言を調べる小林隆教授は言う。標準語ではシンシン、コンコンと降る雪を、青森や岩手ではノッツノッツと言い表す。北国の雪の重みまでもが伝わってくる
▼方言には、歴史の息吹が潜む。「おおきに」は関西弁で「ありがとう」だが、岩手県宮古市でも「おおきに」と礼を言う。かつて盛んだった関西との海路の往来が、もたらした言葉ではないかという
▼そんな方言も東日本大震災で危機に瀕(ひん)している。ごく限られた地域で使われていた言葉は、避難などで地域が離散すれば、消滅しかねない。それは歴史の一部を失うことでもある
▼ただ、悲観ばかりはしていないと、小林教授は話す。「震災で方言に対する意識が変わった。あえて方言を使うことで、つながりの輪の中にいることを人々は感じているのです」。言葉の地力の復興である。
2013年6月6日
NHKの連続テレビ小説『あまちゃん』ではヒロインたちが毎日、「じぇじぇ」と驚いているが、盛岡周辺では「じゃじゃ」と言うらしい
▼盛岡出身の同僚に聞いたら、明治生まれのおばあさんが驚きのあまり「じゃじゃじゃじゃじゃっ」と、五回も重ねたのを覚えているという。この同僚、幼稚園で「じゃの付く言葉を挙げて」と言われ、みんながジャガイモとか何とか答えるのを横目に答えたそうだ。「じゃじゃじゃ」
▼東北の言葉の特徴は擬態語の豊かさだと、東北大学で方言を調べる小林隆教授は言う。標準語ではシンシン、コンコンと降る雪を、青森や岩手ではノッツノッツと言い表す。北国の雪の重みまでもが伝わってくる
▼方言には、歴史の息吹が潜む。「おおきに」は関西弁で「ありがとう」だが、岩手県宮古市でも「おおきに」と礼を言う。かつて盛んだった関西との海路の往来が、もたらした言葉ではないかという
▼そんな方言も東日本大震災で危機に瀕(ひん)している。ごく限られた地域で使われていた言葉は、避難などで地域が離散すれば、消滅しかねない。それは歴史の一部を失うことでもある
▼ただ、悲観ばかりはしていないと、小林教授は話す。「震災で方言に対する意識が変わった。あえて方言を使うことで、つながりの輪の中にいることを人々は感じているのです」。言葉の地力の復興である。