中日春秋
2013年6月2日
戦国の世は、槍(やり)や弓が一番の武器で、刀は槍などが使えない場合の補助的な役割だったようだ。江戸幕府が開かれ、合戦がなくなると、刀は武士の象徴になった
▼その中で剣術を究めようとした武芸家の代表は宮本武蔵だろう。誤解もある。有名な武蔵の二刀流は、利き腕を失ったときなどあらゆる状況を考え、片手でも刀が振れるように鍛錬することが真の目的だったようだ
▼“現代の二刀流”は実戦で魅せてくれた。きのうの交流戦で日本ハムのルーキー大谷翔平投手(18)は中日戦に先発。最速百五十六キロを記録する力投で五回を三失点に抑え、勝利投手になった。二度目の先発でプロ初白星である
▼大谷選手が中途半端な両刀遣いに終わってしまうことを心配して、投手か打者かどちらかに絞らせるべきだという声は今も多いようだが、一つに決めるには惜しい才能だ
▼球界には、阪急などで活躍した野口二郎という大先輩がいる。投手として通算二百三十七勝。一九四二年には歴代三位となる年間四十勝を挙げている。登板しない日は打者として千九十八試合に出場、九本塁打、三百六十八打点、打率二割四分八厘の記録を残した
▼時代が違うと言うなかれ。プロ野球選手はファンに夢を与える存在であることは変わらない。投打を追究することで両方が生きる二刀流。しばらくは大谷選手と一緒に夢を追ってみたい。
2013年6月2日
戦国の世は、槍(やり)や弓が一番の武器で、刀は槍などが使えない場合の補助的な役割だったようだ。江戸幕府が開かれ、合戦がなくなると、刀は武士の象徴になった
▼その中で剣術を究めようとした武芸家の代表は宮本武蔵だろう。誤解もある。有名な武蔵の二刀流は、利き腕を失ったときなどあらゆる状況を考え、片手でも刀が振れるように鍛錬することが真の目的だったようだ
▼“現代の二刀流”は実戦で魅せてくれた。きのうの交流戦で日本ハムのルーキー大谷翔平投手(18)は中日戦に先発。最速百五十六キロを記録する力投で五回を三失点に抑え、勝利投手になった。二度目の先発でプロ初白星である
▼大谷選手が中途半端な両刀遣いに終わってしまうことを心配して、投手か打者かどちらかに絞らせるべきだという声は今も多いようだが、一つに決めるには惜しい才能だ
▼球界には、阪急などで活躍した野口二郎という大先輩がいる。投手として通算二百三十七勝。一九四二年には歴代三位となる年間四十勝を挙げている。登板しない日は打者として千九十八試合に出場、九本塁打、三百六十八打点、打率二割四分八厘の記録を残した
▼時代が違うと言うなかれ。プロ野球選手はファンに夢を与える存在であることは変わらない。投打を追究することで両方が生きる二刀流。しばらくは大谷選手と一緒に夢を追ってみたい。