中日春秋
2013年4月19日
あなたがネズミだったら、どちらを選ぶだろうか。一回踏むと二滴の水が出るレバーと、一回で四滴出るが、半々の確率でまったく出ないことがあるレバー。着実に二滴か、リスクはあっても四滴に挑むか
▼東北大学の飯島敏夫教授らが昨秋、発表したユニークな研究だ。実験の結果、四滴のレバーを踏む回数の方が、二滴より一・七倍余多かった
▼脳の「島皮質前部」に、そういう行動を促す機能があることも分かった。どうも私たちの中には、危険を冒してでも、より大きな成果を得ようとするメカニズムが組み込まれているらしい。生存と進化の厳しい競争に対処するため備わった「開拓者精神」なのかもしれない
▼そんな性向を刺激し、商売にしているのがギャンブルだが、日本ほど盛んな国もそうはあるまい。何しろ、パチンコにいたっては、それがない町を探すのが難しいほどだ
▼『ギャンブル大国ニッポン』(古川美穂著、岩波書店)によれば、スロットマシンなどのゲーム機の台数で、日本は圧倒的な世界一。ギャンブル依存症の人の割合が、先進諸国に比べて、驚くほど高いという調査もある
▼そんな日本に、さらにカジノをつくろうという動きがある。超党派議連は年内の法案提出を目指すという。ギャンブルが、これ以上必要なのか。リスクと期待しうる成果は、いかほどか。ここは思案のしどころだ。
2013年4月19日
あなたがネズミだったら、どちらを選ぶだろうか。一回踏むと二滴の水が出るレバーと、一回で四滴出るが、半々の確率でまったく出ないことがあるレバー。着実に二滴か、リスクはあっても四滴に挑むか
▼東北大学の飯島敏夫教授らが昨秋、発表したユニークな研究だ。実験の結果、四滴のレバーを踏む回数の方が、二滴より一・七倍余多かった
▼脳の「島皮質前部」に、そういう行動を促す機能があることも分かった。どうも私たちの中には、危険を冒してでも、より大きな成果を得ようとするメカニズムが組み込まれているらしい。生存と進化の厳しい競争に対処するため備わった「開拓者精神」なのかもしれない
▼そんな性向を刺激し、商売にしているのがギャンブルだが、日本ほど盛んな国もそうはあるまい。何しろ、パチンコにいたっては、それがない町を探すのが難しいほどだ
▼『ギャンブル大国ニッポン』(古川美穂著、岩波書店)によれば、スロットマシンなどのゲーム機の台数で、日本は圧倒的な世界一。ギャンブル依存症の人の割合が、先進諸国に比べて、驚くほど高いという調査もある
▼そんな日本に、さらにカジノをつくろうという動きがある。超党派議連は年内の法案提出を目指すという。ギャンブルが、これ以上必要なのか。リスクと期待しうる成果は、いかほどか。ここは思案のしどころだ。