中日春秋
2012年10月24日
今回の法相辞任は、藤村修官房長官によると「いかんともしがたい交代」だという
▼暴力団関係者との交際が噂(うわさ)され、外国人からの献金を受けていた。だれもが、そのために辞職に追い込まれたと考えている。けれども、長官は、体調悪化で辞めるのだから「いかんともしがたい」「(首相の任命責任は)関係ない」と説明する。それで済むと思っている
▼田中慶秋氏は、原発事故で町ごと避難を強いられている福島県浪江町の出身だ。入閣前は民主党の福島県対策室長に任じられていた。対策室が「八重の桜プロジェクト」を始めるにあたって「国民のみなさんに感動を送る」とあいさつをした。送ってくれたのは、失望だけだった
▼「八重の桜」は、会津に生まれ、新島襄(じょう)の妻となった八重を描いたNHKの来年の大河ドラマだ。戊辰戦争で凄惨(せいさん)を極めた鶴ケ城の籠城(ろうじょう)戦で、八重は討ち死にした弟の形見で男装して、銃を手に戦った
▼その回想談によれば、籠城戦で最も恥ずべきことと考えたのは、犬死に。一番心配したのは、厠(かわや)だった。<厠に入つてをります時、あの大砲でも破裂して、このまま最期を遂げました時は、婦人として最も恥づべき醜態を曝(さら)さなければならぬからでございます>(早乙女貢著『明治の兄妹』)
▼慶秋氏は雪隠(せっちん)詰めにされ、何もことを成さぬまま、辞した。内閣の醜態、いかんともしがたい。
2012年10月24日
今回の法相辞任は、藤村修官房長官によると「いかんともしがたい交代」だという
▼暴力団関係者との交際が噂(うわさ)され、外国人からの献金を受けていた。だれもが、そのために辞職に追い込まれたと考えている。けれども、長官は、体調悪化で辞めるのだから「いかんともしがたい」「(首相の任命責任は)関係ない」と説明する。それで済むと思っている
▼田中慶秋氏は、原発事故で町ごと避難を強いられている福島県浪江町の出身だ。入閣前は民主党の福島県対策室長に任じられていた。対策室が「八重の桜プロジェクト」を始めるにあたって「国民のみなさんに感動を送る」とあいさつをした。送ってくれたのは、失望だけだった
▼「八重の桜」は、会津に生まれ、新島襄(じょう)の妻となった八重を描いたNHKの来年の大河ドラマだ。戊辰戦争で凄惨(せいさん)を極めた鶴ケ城の籠城(ろうじょう)戦で、八重は討ち死にした弟の形見で男装して、銃を手に戦った
▼その回想談によれば、籠城戦で最も恥ずべきことと考えたのは、犬死に。一番心配したのは、厠(かわや)だった。<厠に入つてをります時、あの大砲でも破裂して、このまま最期を遂げました時は、婦人として最も恥づべき醜態を曝(さら)さなければならぬからでございます>(早乙女貢著『明治の兄妹』)
▼慶秋氏は雪隠(せっちん)詰めにされ、何もことを成さぬまま、辞した。内閣の醜態、いかんともしがたい。