中日春秋
2012年6月7日
 食べ物を売るのに、たとえ本当はそうでも、「まずい」とはまず言えない。昔は「まずい」の看板を出す飲食店もあったが、決まって表記は上下が逆。つまり「うまい」のシャレ
▼が、この会社の場合は本当を客に伝えるのが身上らしい。例えば売り場に並ぶイチゴに<最盛期に比べると甘味が薄く美味(おい)しくありません。コンデンスミルクなどをかけてお召し上がりくださいませ>
▼首都圏などで展開するスーパー・OKストアが採用している「オネスト(正直)カード」の一例である。買う側は助かるし、正直さで信用度が増せば、店にもプラス。他スーパーにも広がるよう願う文化である
▼さて、航空会社のスカイマークが作った接客指針が最近、話題だ。機内で客に示す“宣言”だが、曰(いわ)く、<機内での苦情は受け付けません><客室乗務員は荷物の収納で援助はしません>…
▼大手に比べ割安な運賃実現のため「何を省いたか」示したと見れば、これも正直だ。苦情を公的機関に回すような文言もあり、それは批判を受け変更するらしいが<客室乗務員には丁寧な言葉遣いは義務付けておりません>とまでくると客も面白くはあるまい
▼同社は運航トラブルが相次ぎ、安全管理に不備があると当局からきついお叱りを受けたばかり。それも書いていたらなお正直だった。ともかく安全だけは絶対省いてもらっては困る。