中日春秋
2012年1月26日
ぐるぐる回る装置の中を、ハツカネズミやハムスターがひたすら走り続ける図、というのは誰しもどこかで見たことがあろう
▼「あれは何かもの哀(がな)しい」と切なげに語る人も、スポーツジムなどへ行けば、ぐるぐる回る装置の上で喜々としてランニングに精出していたりするから不思議。ちなみに、あの機械はトレッドミルというが、その英語は、ネズミの方の装置も指すらしい
▼ぐるぐる回るといえば核燃料サイクル事業もそう。サイクルとは循環で、原発の使用済み燃料を処理して再利用する。高速増殖原型炉「もんじゅ」を使って循環させれば、むしろ燃料は増えるというのだから驚く
▼まさに資源小国の“夢”だが、本紙報道によれば、この事業には過去半世紀で実に十兆円もの血税がつぎ込まれてきたのに、計画は完全な目論見(もくろみ)はずれ。不具合続きの「もんじゅ」など、この十七年間で運転できたのはたった二百五十日にすぎぬ
▼既に他の先進国は撤退しており、わが国の事業も失敗は明らかとする専門家は少なくない。最近では、民主党議員の勉強会も事業中止を求める報告書案をまとめた。技術的な困難さ、危険性、経済性、脱原発依存との整合性。どの点からみてももはや撤退しか道はあるまい
▼あのネズミにもの哀しさが漂うのは多分、走っても走ってもどこへも行けないからだ。核燃サイクルも、また…。
2012年1月26日
ぐるぐる回る装置の中を、ハツカネズミやハムスターがひたすら走り続ける図、というのは誰しもどこかで見たことがあろう
▼「あれは何かもの哀(がな)しい」と切なげに語る人も、スポーツジムなどへ行けば、ぐるぐる回る装置の上で喜々としてランニングに精出していたりするから不思議。ちなみに、あの機械はトレッドミルというが、その英語は、ネズミの方の装置も指すらしい
▼ぐるぐる回るといえば核燃料サイクル事業もそう。サイクルとは循環で、原発の使用済み燃料を処理して再利用する。高速増殖原型炉「もんじゅ」を使って循環させれば、むしろ燃料は増えるというのだから驚く
▼まさに資源小国の“夢”だが、本紙報道によれば、この事業には過去半世紀で実に十兆円もの血税がつぎ込まれてきたのに、計画は完全な目論見(もくろみ)はずれ。不具合続きの「もんじゅ」など、この十七年間で運転できたのはたった二百五十日にすぎぬ
▼既に他の先進国は撤退しており、わが国の事業も失敗は明らかとする専門家は少なくない。最近では、民主党議員の勉強会も事業中止を求める報告書案をまとめた。技術的な困難さ、危険性、経済性、脱原発依存との整合性。どの点からみてももはや撤退しか道はあるまい
▼あのネズミにもの哀しさが漂うのは多分、走っても走ってもどこへも行けないからだ。核燃サイクルも、また…。