中日春秋
2012年1月25日
 筆者の場合はフライフィッシングという、西洋式毛針釣りだが、各種釣りの愛好者は多分、そのニュースの見出しに、一瞬、ギョッとなったのではあるまいか。「フィッシング、処罰対象に」
▼今年の解禁も近いというのに、もう川へ出掛けて渓魚と戯れることもできなくなるのか。確かに、釣りに出掛ける時には、家族から冷たい視線を浴びることもあり、まるで罪悪感を感じないわけではない。だが、だからといって処罰の対象とは…
▼無論、本当はそこまでは考えず、すぐ、ネットでの不届きな行為のことだと分かったが、はた迷惑な呼称である。何でも、洗練された(sophisticated(ソフィスティケイティド))メールで偽のサイトに誘い、IDやパスワードを入力させて、個人情報を釣り上げる(fishing(フィッシング))ことからphishingと綴(つづ)るらしい
▼警察庁が、そうした行為を処罰の対象にする法改正案を国会に提出するというのがニュースの趣旨。改正成れば、不正入手したIDなどがネットショッピング詐欺などに使われ、被害が発生する前に取り締まれるようになるという
▼テレビで見たのだが、フライフィッシング発祥の地である英国はテスト川の老ギリー(川の案内人)がいいことを言っていた。「釣りに費やす時間は寿命に加算される」
▼無論、ネット上の悪辣(あくらつ)なフィッシングの時間は「引き算」されよう。