中日春秋
2011年12月22日
クラシック音楽の中には、未完の曲というのが結構あるが、一番、人気の高いものといえば、やはり、シューベルトの交響曲第七番ロ短調だろう
▼作曲家は第二楽章までしか完成させておらず、ずばり『未完成交響曲』と呼ばれる。むしろ未完でよかったとの評もあり、どうも「未完成」だからこそ愛されている面もあるようだ
▼そういえば、若い芸術家の作品評などでよく目にするのが「粗削りの良さ」といった表現。つまり、仕上げ前、ということ。十七世紀、フランスの文人ラ・ロシュフコーの箴言(しんげん)も曰(いわ)く、<美しい物の中には、あまりにも完全にでき上(あが)った時よりも、未完成のままの時のほうが光って見える物がある>
▼無論、候補には欧州製などの「完成品」もあったのに、政府の目にはさぞやそれが光って見えたのだろう。航空自衛隊の次期戦闘機として選定が閣議決定された米社製F35のこと。驚いたことに、まだ開発途上の“未完成戦闘機”らしい
▼全体では「兆」を超える買い物になるのに、当然、試乗もできず。おまけに開発はトラブル続発で政府想定の納期に間に合わぬ恐れも。それでもF35とは、米政府に何か噛(か)んで含められていたのか、と勘繰りたくなる
▼とにかくレーダーに映りにくい「ステルス性能」の高さが決め手と政府はいう。それは知らぬが、選定経緯が“ステルス”なのは確かである。
2011年12月22日
クラシック音楽の中には、未完の曲というのが結構あるが、一番、人気の高いものといえば、やはり、シューベルトの交響曲第七番ロ短調だろう
▼作曲家は第二楽章までしか完成させておらず、ずばり『未完成交響曲』と呼ばれる。むしろ未完でよかったとの評もあり、どうも「未完成」だからこそ愛されている面もあるようだ
▼そういえば、若い芸術家の作品評などでよく目にするのが「粗削りの良さ」といった表現。つまり、仕上げ前、ということ。十七世紀、フランスの文人ラ・ロシュフコーの箴言(しんげん)も曰(いわ)く、<美しい物の中には、あまりにも完全にでき上(あが)った時よりも、未完成のままの時のほうが光って見える物がある>
▼無論、候補には欧州製などの「完成品」もあったのに、政府の目にはさぞやそれが光って見えたのだろう。航空自衛隊の次期戦闘機として選定が閣議決定された米社製F35のこと。驚いたことに、まだ開発途上の“未完成戦闘機”らしい
▼全体では「兆」を超える買い物になるのに、当然、試乗もできず。おまけに開発はトラブル続発で政府想定の納期に間に合わぬ恐れも。それでもF35とは、米政府に何か噛(か)んで含められていたのか、と勘繰りたくなる
▼とにかくレーダーに映りにくい「ステルス性能」の高さが決め手と政府はいう。それは知らぬが、選定経緯が“ステルス”なのは確かである。