中日春秋
2011年11月17日
古代ギリシャやローマの演劇では、舞台にしばしば<デウス・エクス・マキナ>、つまり、「機械仕掛けの神」が登場したらしい。それでもって、混乱した筋書きに不自然かつ強引な解決をもたらした
▼ユーロ危機を一つのドラマと見れば、その筋書きも相当、混乱していると言わねばなるまい。発火点のギリシャは国家として“倒産”寸前の状態ながら、首相交代でやや落ち着いたかに見えたが、信用不安はイタリアに飛び火。国債の価値が急落し、こちらも首相の交代とあいなった
▼無論、財政悪化に適切な手を打たなかったリーダーに、大きな責任はある。それでも、民主主義の政治制度で選ばれた宰相が、相次いで、いわば「市場(マーケット)」にクビを切られたことには、割り切れぬものがある
▼そういえば、スロバキアも「市場」に政権交代させられたようなもの。「市場」のご機嫌を取るため、先に欧州金融安定化基金が拡充された際、ユーロ加盟国の最後に議会承認を得たのが同国だが、それは連立政権崩壊との引き換えだった
▼ギリシャもイタリアも“本場”だけに、後継首相には<デウス・エクス・マキナ>の役割が期待されているに違いない。だが、その二人ともが「市場」に通じた経済学者であるというのも象徴的
▼「市場」が政治をしのぐ力を持つなら、それは民主主義より“金”主主義とでも呼ぶべきである。
2011年11月17日
古代ギリシャやローマの演劇では、舞台にしばしば<デウス・エクス・マキナ>、つまり、「機械仕掛けの神」が登場したらしい。それでもって、混乱した筋書きに不自然かつ強引な解決をもたらした
▼ユーロ危機を一つのドラマと見れば、その筋書きも相当、混乱していると言わねばなるまい。発火点のギリシャは国家として“倒産”寸前の状態ながら、首相交代でやや落ち着いたかに見えたが、信用不安はイタリアに飛び火。国債の価値が急落し、こちらも首相の交代とあいなった
▼無論、財政悪化に適切な手を打たなかったリーダーに、大きな責任はある。それでも、民主主義の政治制度で選ばれた宰相が、相次いで、いわば「市場(マーケット)」にクビを切られたことには、割り切れぬものがある
▼そういえば、スロバキアも「市場」に政権交代させられたようなもの。「市場」のご機嫌を取るため、先に欧州金融安定化基金が拡充された際、ユーロ加盟国の最後に議会承認を得たのが同国だが、それは連立政権崩壊との引き換えだった
▼ギリシャもイタリアも“本場”だけに、後継首相には<デウス・エクス・マキナ>の役割が期待されているに違いない。だが、その二人ともが「市場」に通じた経済学者であるというのも象徴的
▼「市場」が政治をしのぐ力を持つなら、それは民主主義より“金”主主義とでも呼ぶべきである。