中日春秋
2011年11月2日
サッカーは一チーム、十一人でやる。だから当然、敵も十一人のはずだが、もう少し多い、と考えている選手もいる
▼例えば、スペインやイタリアの人気チームで名を馳(は)せ、ポルトガル代表でも活躍した名選手ルイス・フィーゴは、ある時、明日の試合、注意すべき相手はいるか、と聞かれて、こう答えた。「審判だ!」(岩永修幸編『蹴球神髄』)
▼多分、パレスチナ自治政府のアッバス議長に、イスラエルとの和平交渉や悲願の国家建設について、同じ質問をしたなら、同じ答えが返ってくるのではあるまいか。その“審判”とは、ずっと「公平な仲裁者」を標榜(ひょうぼう)してきた米国政府である
▼サッカーでは、「審判が相手チームびいき」という主張は、選手の思い込みであることも多いが、こちらは違う。国連教育科学文化機関(ユネスコ)が総会で、パレスチナの正式加盟を決めた一件が端的だ
▼米国は、イスラエルの意を体して頑強に反対した上、加盟が決まるや、脅し文句通り、ユネスコへの分担金拠出の凍結を決めてしまった。パレスチナは先に国連本体へも国家としての加盟を申請したが、これも拒否権行使の脅しで米国が阻んでいる
▼そんな不公平な“笛”で試合をさせられているのだから、パレスチナの無念、察して余りがある。一層切ないのは、それでもなお、代わりの“審判”はいないという現実である。
2011年11月2日
サッカーは一チーム、十一人でやる。だから当然、敵も十一人のはずだが、もう少し多い、と考えている選手もいる
▼例えば、スペインやイタリアの人気チームで名を馳(は)せ、ポルトガル代表でも活躍した名選手ルイス・フィーゴは、ある時、明日の試合、注意すべき相手はいるか、と聞かれて、こう答えた。「審判だ!」(岩永修幸編『蹴球神髄』)
▼多分、パレスチナ自治政府のアッバス議長に、イスラエルとの和平交渉や悲願の国家建設について、同じ質問をしたなら、同じ答えが返ってくるのではあるまいか。その“審判”とは、ずっと「公平な仲裁者」を標榜(ひょうぼう)してきた米国政府である
▼サッカーでは、「審判が相手チームびいき」という主張は、選手の思い込みであることも多いが、こちらは違う。国連教育科学文化機関(ユネスコ)が総会で、パレスチナの正式加盟を決めた一件が端的だ
▼米国は、イスラエルの意を体して頑強に反対した上、加盟が決まるや、脅し文句通り、ユネスコへの分担金拠出の凍結を決めてしまった。パレスチナは先に国連本体へも国家としての加盟を申請したが、これも拒否権行使の脅しで米国が阻んでいる
▼そんな不公平な“笛”で試合をさせられているのだから、パレスチナの無念、察して余りがある。一層切ないのは、それでもなお、代わりの“審判”はいないという現実である。