中日春秋
2011年9月22日
約束を破らないで済む一番の方法は…約束をしないことだ。ナポレオンの言う通りだが、これは一種のジョークと受け取るべきだろう
▼ところが、わが宰相、<失言をしないで済む一番の方法は…口を開かないことだ>と本気で考えている節がある。番記者らが一日一、二回、首相を囲んで話を聞く「ぶら下がり」と呼ばれる取材に野田さんはいまだ応じていない。いろんな場面で記者団が何か問いかける場合でも、返答は無言のケースが多いと聞く
▼多分、言葉で失敗した先輩首相らの前轍(ぜんてつ)は踏みたくないの思いが強いのだろう。自分の内閣でも早々一人が言葉でしくじった。また、演説は上手でもアドリブは利かないタイプと見る向きも。確かに、ネタは面白いのにフリートークはさっぱりというお笑い芸人もいるにはいる
▼だが、質問が飛んでくる度、<くわばら、くわばら>では一国のリーダーとして大変心許(こころもと)ない。大金持ちになる秘訣(ひけつ)は<語るなかれ>だと、かの大財閥家ロスチャイルドの家訓は言うが、首相がそうでは困る
▼民主党代表選だって、言葉で勝ったようなもの。あの演説は、ことに自虐のユーモアが光ったし、過去の発言にも最近の宰相にない諧謔(かいぎゃく)のセンスを感じる。それを封じる手はない
▼あえて言えば、国民が評価したのも、ルックスでなく、マウスだったはず。<語ることを恐れるなかれ>だ。
2011年9月22日
約束を破らないで済む一番の方法は…約束をしないことだ。ナポレオンの言う通りだが、これは一種のジョークと受け取るべきだろう
▼ところが、わが宰相、<失言をしないで済む一番の方法は…口を開かないことだ>と本気で考えている節がある。番記者らが一日一、二回、首相を囲んで話を聞く「ぶら下がり」と呼ばれる取材に野田さんはいまだ応じていない。いろんな場面で記者団が何か問いかける場合でも、返答は無言のケースが多いと聞く
▼多分、言葉で失敗した先輩首相らの前轍(ぜんてつ)は踏みたくないの思いが強いのだろう。自分の内閣でも早々一人が言葉でしくじった。また、演説は上手でもアドリブは利かないタイプと見る向きも。確かに、ネタは面白いのにフリートークはさっぱりというお笑い芸人もいるにはいる
▼だが、質問が飛んでくる度、<くわばら、くわばら>では一国のリーダーとして大変心許(こころもと)ない。大金持ちになる秘訣(ひけつ)は<語るなかれ>だと、かの大財閥家ロスチャイルドの家訓は言うが、首相がそうでは困る
▼民主党代表選だって、言葉で勝ったようなもの。あの演説は、ことに自虐のユーモアが光ったし、過去の発言にも最近の宰相にない諧謔(かいぎゃく)のセンスを感じる。それを封じる手はない
▼あえて言えば、国民が評価したのも、ルックスでなく、マウスだったはず。<語ることを恐れるなかれ>だ。