中日春秋
2011年9月1日
万葉の時代から、秋の虫の声は親しまれてきた。<●(こおろぎ)のころころひとり笑ひかな>(一茶)。セミの声の勢いが鈍ったなと思うと、小さい演者の奏でる調べが、秋の夜長を演出する季節になっていた
▼きょうから九月。猛暑だった昨年よりは気温が低かったとはいえ、企業や家庭が節電を重ね、八月の「電力危機」を乗り切った。二十二日までの予定だった東京電力管内の電力使用制限令も、前倒しで解除される
▼東電の供給量に占める使用率が90%を超えたのは一日だけ。もともとの電力需要の推計が「どんぶり勘定」で大きくげたをはかせていた。いいかげんな推計で15%もの削減を強いた責任を問わなくてはならない
▼産業界などからは、早くも冬場や来夏の電力不足を心配する声が上がっている。しかし、いくら不安をあおられても、原発に依存せずに夏を乗り越えた事実は、国民の大きな自信になるはずだ
▼「火力の稼働を八六%強にすれば、水力と併せて、原子力発電分なくしても問題はなく、原子力発電分だけ無駄を抱えていることにもなる」と安全性論議を超えた経済性の視点から、脱原発を主張する専門家もいる(日本大国際関係学部円居総一教授 『原発に頼らなくても日本は成長できる』)
▼地震列島の上に、原発を建てる危険なギャンブルはもうやめにしたい。「防災の日」のきょうあらためて思う。
2011年9月1日
万葉の時代から、秋の虫の声は親しまれてきた。<●(こおろぎ)のころころひとり笑ひかな>(一茶)。セミの声の勢いが鈍ったなと思うと、小さい演者の奏でる調べが、秋の夜長を演出する季節になっていた
▼きょうから九月。猛暑だった昨年よりは気温が低かったとはいえ、企業や家庭が節電を重ね、八月の「電力危機」を乗り切った。二十二日までの予定だった東京電力管内の電力使用制限令も、前倒しで解除される
▼東電の供給量に占める使用率が90%を超えたのは一日だけ。もともとの電力需要の推計が「どんぶり勘定」で大きくげたをはかせていた。いいかげんな推計で15%もの削減を強いた責任を問わなくてはならない
▼産業界などからは、早くも冬場や来夏の電力不足を心配する声が上がっている。しかし、いくら不安をあおられても、原発に依存せずに夏を乗り越えた事実は、国民の大きな自信になるはずだ
▼「火力の稼働を八六%強にすれば、水力と併せて、原子力発電分なくしても問題はなく、原子力発電分だけ無駄を抱えていることにもなる」と安全性論議を超えた経済性の視点から、脱原発を主張する専門家もいる(日本大国際関係学部円居総一教授 『原発に頼らなくても日本は成長できる』)
▼地震列島の上に、原発を建てる危険なギャンブルはもうやめにしたい。「防災の日」のきょうあらためて思う。