中日春秋
2011年7月10日
「いかにけがをしないか」。決戦の場を控えて、心掛けを繰り返しそう語ったとなると、プロスポーツ選手の言としてはいささか珍しい
▼普通なら、消極的すぎると眉をひそめるファンもあろう。だが、この人の場合は、うなずけてしまう。大相撲の魁皇関。ここ数年は腰やら膝やら、あちこちに痛みを抱え、自ら、こう言っているとも聞く。「趣味は治療」
▼きょうから、半年ぶりの通常開催となる名古屋場所が幕を開ける。場所前の稽古では、「あんまりぼろぼろだから」と、稽古まわしを新品に換えた。千秋楽に三十九歳となる大関の体も満身創痍(そうい)だが、こればっかりは取り換えがきかない
▼師匠の友綱親方さえ「一日一日、十五日間出ることが先決」と。そして、冗談ぽくこう続ける。「それなら、二つぐらい勝つだろう」。あと一勝で、千代の富士(現九重親方)の持つ通算千四十五勝の史上最多記録に並び、もう一つ勝てば、新記録になるからだ
▼全身にトラブルを抱えながら、前人未到の偉業に向かう…。どうも“角界のはやぶさ”めいてくるが、大きな声援が送られるのは間違いない
▼古くは冷房のない会場で行われ、「南洋場所」の異名もあった名古屋場所だが、今も名古屋は暑い。八百長問題に区切りをつけて迎える「復興の場所」(放駒理事長)で、全力士が、まじめに“汗をかく”姿をみせてほしい。
2011年7月10日
「いかにけがをしないか」。決戦の場を控えて、心掛けを繰り返しそう語ったとなると、プロスポーツ選手の言としてはいささか珍しい
▼普通なら、消極的すぎると眉をひそめるファンもあろう。だが、この人の場合は、うなずけてしまう。大相撲の魁皇関。ここ数年は腰やら膝やら、あちこちに痛みを抱え、自ら、こう言っているとも聞く。「趣味は治療」
▼きょうから、半年ぶりの通常開催となる名古屋場所が幕を開ける。場所前の稽古では、「あんまりぼろぼろだから」と、稽古まわしを新品に換えた。千秋楽に三十九歳となる大関の体も満身創痍(そうい)だが、こればっかりは取り換えがきかない
▼師匠の友綱親方さえ「一日一日、十五日間出ることが先決」と。そして、冗談ぽくこう続ける。「それなら、二つぐらい勝つだろう」。あと一勝で、千代の富士(現九重親方)の持つ通算千四十五勝の史上最多記録に並び、もう一つ勝てば、新記録になるからだ
▼全身にトラブルを抱えながら、前人未到の偉業に向かう…。どうも“角界のはやぶさ”めいてくるが、大きな声援が送られるのは間違いない
▼古くは冷房のない会場で行われ、「南洋場所」の異名もあった名古屋場所だが、今も名古屋は暑い。八百長問題に区切りをつけて迎える「復興の場所」(放駒理事長)で、全力士が、まじめに“汗をかく”姿をみせてほしい。