中日春秋
2011年6月21日
菅首相が退陣前の成立に意欲を燃やす法案がある。イタチの何とかではないが、これは一発かましてほしい
▼風力や太陽光などで生産した電気を、固定価格で電力会社に買い取らせることで、再生可能エネルギーの普及を狙う法案。与野党に賛同者は多いが、電気料値上げにつながると、財界は冷ややからしい
▼確かに、経団連は意見書で<例えば原子力エネルギー等と比較してコストの高い再生可能エネルギー>を、国民負担の下に導入拡大させる施策だ、と批判している。ただ、それは、原発が「安全」だとされていた今年一月のこと
▼だが、事故は起き、われわれは原発のために途方もない<コスト>を支払うことになった。それでも今まだ、原発と比較して再生可能エネルギーの<コスト>が高い、などという主張があるなら、到底、首肯できない
▼かけがえのない土地が海が川が空気が放射能によって汚された。人々は古里を追われ、子どもたちは外で遊べなくなり収穫物は出荷できなくなった。日本産のイメージは傷を負い、国中を不安が覆う。こんな取り返しのつかぬ被害を<コスト>と認めないなら、それは事故の矮小化(わいしょうか)だろう
▼仮に、もし、仮に原発が「安上がり」だったとしても、もうそれは過去の話。そして、リンカーンが書いた通り、<静かな過去のドグマ(教義)は、嵐の現在にふさわしくない>
2011年6月21日
菅首相が退陣前の成立に意欲を燃やす法案がある。イタチの何とかではないが、これは一発かましてほしい
▼風力や太陽光などで生産した電気を、固定価格で電力会社に買い取らせることで、再生可能エネルギーの普及を狙う法案。与野党に賛同者は多いが、電気料値上げにつながると、財界は冷ややからしい
▼確かに、経団連は意見書で<例えば原子力エネルギー等と比較してコストの高い再生可能エネルギー>を、国民負担の下に導入拡大させる施策だ、と批判している。ただ、それは、原発が「安全」だとされていた今年一月のこと
▼だが、事故は起き、われわれは原発のために途方もない<コスト>を支払うことになった。それでも今まだ、原発と比較して再生可能エネルギーの<コスト>が高い、などという主張があるなら、到底、首肯できない
▼かけがえのない土地が海が川が空気が放射能によって汚された。人々は古里を追われ、子どもたちは外で遊べなくなり収穫物は出荷できなくなった。日本産のイメージは傷を負い、国中を不安が覆う。こんな取り返しのつかぬ被害を<コスト>と認めないなら、それは事故の矮小化(わいしょうか)だろう
▼仮に、もし、仮に原発が「安上がり」だったとしても、もうそれは過去の話。そして、リンカーンが書いた通り、<静かな過去のドグマ(教義)は、嵐の現在にふさわしくない>