中日春秋
2011年3月23日
私事だが、過日、娘の小学校の卒業式に出席した。冒頭、大震災の犠牲者に黙祷(もくとう)を捧(ささ)げた後、式は次第通りに進んだ
▼送られる六年生と向き合うように、送る側の代表、五年生が整列しているのを眺めていて気づいた。平均すれば、どうだろう、背丈が十センチ、どうかすると頭一つほども違う。これが一年という時間か、一年の間に人間はこんなにも伸びるのかと、妙に感心した
▼その思いは、震災で深く深く傷ついた日本の一年先へと及んで、少し勇気づけられる気がした。もちろん被災者は今もまだ一日、一日だ。今日という日を乗り切るのが精いっぱいという状況の人が多いに違いない
▼テレビ画面の中で避難所の男性が「あの日以来、初めて温かい物を口にした。ありがたい」と、泣きながら汁物をすする姿に胸がしめつけられる。届けられた簡易式の湯船につかり「やっと風呂に入れたよ」と笑った人の表情にも
▼だから、がん闘病から復活した歌手、桑田佳祐さんの新しい曲『月光の聖者達』を聴くと、この一節が胸に迫ってならないのだ。♪現在(いま)がどんなにやるせなくても 明日は今日より素晴らしい…
▼昨日できなかったことが今日はできる。今日なかったものが明日はある-。国の総力を挙げてそういう一日を積み重ねていきたい。人々の思いが早く、一週間先、一カ月先、そして一年先へと向かえるように。
2011年3月23日
私事だが、過日、娘の小学校の卒業式に出席した。冒頭、大震災の犠牲者に黙祷(もくとう)を捧(ささ)げた後、式は次第通りに進んだ
▼送られる六年生と向き合うように、送る側の代表、五年生が整列しているのを眺めていて気づいた。平均すれば、どうだろう、背丈が十センチ、どうかすると頭一つほども違う。これが一年という時間か、一年の間に人間はこんなにも伸びるのかと、妙に感心した
▼その思いは、震災で深く深く傷ついた日本の一年先へと及んで、少し勇気づけられる気がした。もちろん被災者は今もまだ一日、一日だ。今日という日を乗り切るのが精いっぱいという状況の人が多いに違いない
▼テレビ画面の中で避難所の男性が「あの日以来、初めて温かい物を口にした。ありがたい」と、泣きながら汁物をすする姿に胸がしめつけられる。届けられた簡易式の湯船につかり「やっと風呂に入れたよ」と笑った人の表情にも
▼だから、がん闘病から復活した歌手、桑田佳祐さんの新しい曲『月光の聖者達』を聴くと、この一節が胸に迫ってならないのだ。♪現在(いま)がどんなにやるせなくても 明日は今日より素晴らしい…
▼昨日できなかったことが今日はできる。今日なかったものが明日はある-。国の総力を挙げてそういう一日を積み重ねていきたい。人々の思いが早く、一週間先、一カ月先、そして一年先へと向かえるように。