中日春秋
2011年3月19日
1+1=2。いくら数学に弱くても、それくらいは分かる。だが、それが人間の話となると、必ずしもそうならないのだから不思議だ
▼たとえば、昔の人は<一人口は食えないが二人口は食える>と言った。若い男の独り身、今の稼ぎでは自分一人の糊口(ここう)もままならぬ。ところが、伴侶を得ると、ムダが減って倹約ができたりして、むしろ<二人口>の方が暮らし向きが楽になる、と
▼戦後、日本人が人と人とのつながりの力というものを今ほど信じ、欲したことはあるまい。大震災から一週間が過ぎた被災地の方々も、人が人と手を携えることで、1+1=2を超える力が出ることを実感しながら、日々の苦境に立ち向かっておられよう
▼被災地の外では、まだ救援ルートが整わないため、現地で不足する物を送れず歯がゆい思いをしている人も多い。なるべく早く受け入れ態勢が整うよう願う。「送ってほしい」に「送りたい」がつながる実感は、支援される側だけではなく、支援する側を支える面もあると思うからだ
▼一枚の毛布と一着のコートはそれを手にする二人の被災者の役に立つだろう。だが、それぞれを送った二人の支援者も救うなら、1+1=4だ。そんな数式をさらに1+1+1+1…とつなげてゆく
▼単なる総和をはるかに超える途方もない力になるはずだ。そして、私たちには今、それが必要である。
2011年3月19日
1+1=2。いくら数学に弱くても、それくらいは分かる。だが、それが人間の話となると、必ずしもそうならないのだから不思議だ
▼たとえば、昔の人は<一人口は食えないが二人口は食える>と言った。若い男の独り身、今の稼ぎでは自分一人の糊口(ここう)もままならぬ。ところが、伴侶を得ると、ムダが減って倹約ができたりして、むしろ<二人口>の方が暮らし向きが楽になる、と
▼戦後、日本人が人と人とのつながりの力というものを今ほど信じ、欲したことはあるまい。大震災から一週間が過ぎた被災地の方々も、人が人と手を携えることで、1+1=2を超える力が出ることを実感しながら、日々の苦境に立ち向かっておられよう
▼被災地の外では、まだ救援ルートが整わないため、現地で不足する物を送れず歯がゆい思いをしている人も多い。なるべく早く受け入れ態勢が整うよう願う。「送ってほしい」に「送りたい」がつながる実感は、支援される側だけではなく、支援する側を支える面もあると思うからだ
▼一枚の毛布と一着のコートはそれを手にする二人の被災者の役に立つだろう。だが、それぞれを送った二人の支援者も救うなら、1+1=4だ。そんな数式をさらに1+1+1+1…とつなげてゆく
▼単なる総和をはるかに超える途方もない力になるはずだ。そして、私たちには今、それが必要である。