中日春秋
2011年2月1日
 米大リーグでバリー・ボンズ選手が、ハンク・アーロン選手の持つ七百五十五本の通算本塁打記録を破ったのは、二〇〇七年八月七日
▼偉大な記録だが、祝意に交じって、懐疑の声も少なからずあった。既に、禁止薬物の使用疑惑が明らかになっていたからだ。大打者なのは間違いない。だが…。そんな思いを、スタンドのファンは、こんなボードを掲げて示した。「756*」。アステリスク。注釈付き、あるいは、あくまで参考記録、といった意味あいである
▼さて、検察審査会の二度の「起訴すべき」との議決を受け、検察官役の弁護士が昨日、政治資金規正法違反の罪で、小沢元民主党代表を在宅で強制起訴した
▼その後、報道陣を前に小沢さんは、市民で構成する検審の判断に基づく起訴と、プロである検察の起訴とは違う、としきりに強調した。いわば「起訴*」だと言いたかったようだ
▼市民感覚を大事にするのが、司法改革の趣旨で、強制起訴の仕組みもその一環。それは無論、国会が決めたことだが、自分が当事者となると話は別か、以前にも、「素人が良い悪いと言う今の仕組みが果たしていいのか」と
▼何にせよ、被告人としての白黒は裁判でつく。だが、政治家としては、やはり国会で事件について説明すべきだ。逃げていては、歴史的政権交代の立役者である「大政治家」に「*」がつきまとう。