中日春秋
2010年11月25日
 幼いころ、活火山、休火山、死火山という火山の分類を教わった
▼辞書には「現在は使われていない」とあるから、知らぬ間に「死語」になっていたようだが、休火山は噴火の記録があって、いずれ噴火するかもしれない火山、死火山は、もう噴火の恐れがない火山で、どちらも穏やかに見えても根本的に違う、と習った覚えがある
▼今回の北朝鮮による韓国の延坪島(ヨンピョンド)砲撃では、朝鮮戦争は“死火山”ではなく“休火山”であるということをあらためて思い知らされた。当時の米ソ対立を背景に、一九五〇年に勃発(ぼっぱつ)した南北軍事衝突は三年後に止まったが「終戦」に至ったわけではない。以後、長い「停戦」が続いているだけだ
▼もう一つ、世界が思い知らされたのは、つくづく北朝鮮の出方は読めぬということだろう。普通は「どんな国も、結果的に自国にマイナスになるのが明白なことはしない」という前提で行動を予測するからだ。かの将軍様はそれを平気でする
▼レベルは違うが、尖閣諸島の件やノーベル平和賞問題で、無闇(むやみ)に荒々しい対応を見せる昨今の中国にも似たことは言えるかもしれない。マイナスは明白なのに、自ら世界に「異質論」を喧伝(けんでん)するような行動が目立つ
▼「普通でない国」として北朝鮮は“活火山”だ。後ろ盾として、今回も厳しい対応ができぬなら、中国も“休火山”だとみなされかねない。