中日春秋
2010年11月23日
アルゼンチンの作家ボルヘスに『二人の王と二つの迷宮』という短い作品がある。こんな話
▼バビロニアの王が、一度入れば必ず迷う迷宮をこしらえる。ある時、訪ねてきたアラブ人の王をそこに入らせる。彼は「多くの階段、扉、壁のある」迷宮を一日中、さまよい歩く屈辱を味わわされる
▼怒りを隠して帰国するや、バビロニアを攻め、王を捕縛。ある所に連れて行き、「私の迷宮」には「階段も扉も回廊もなければ壁もない」と説明する。そこは砂漠のまん中。放置されたバビロニアの王は飢えと渇きで死ぬ
▼菅政権がぐらついている。発足時、60%を超えた内閣支持率は、ほぼ半減。尖閣問題も響いたが、根本は、官僚主導打破やムダ追放で巨大財源確保など「自民党政権には無理だが民主党なら可能」と約束したことがほとんどできていないからだ
▼さらに、今度は法相が「失言」で辞任。政策面で変革が起こせないだけでなく、こういう失速の展開もまた政権交代前によく見た光景だ。自民党政権の迷宮を脱出したのに、次に飛び込んだ先もまた別の迷宮…。そんな感じも漂う
▼政権交代可能な二大政党制とは、一つが×(ペケ)でももう一つがあるということだ。だが、もし二つとも×だとなれば、それは、より恐ろしい“砂漠の迷宮”にもなりかねない。民主党は、そのことの罪深さをよくよく考えないといけない。
2010年11月23日
アルゼンチンの作家ボルヘスに『二人の王と二つの迷宮』という短い作品がある。こんな話
▼バビロニアの王が、一度入れば必ず迷う迷宮をこしらえる。ある時、訪ねてきたアラブ人の王をそこに入らせる。彼は「多くの階段、扉、壁のある」迷宮を一日中、さまよい歩く屈辱を味わわされる
▼怒りを隠して帰国するや、バビロニアを攻め、王を捕縛。ある所に連れて行き、「私の迷宮」には「階段も扉も回廊もなければ壁もない」と説明する。そこは砂漠のまん中。放置されたバビロニアの王は飢えと渇きで死ぬ
▼菅政権がぐらついている。発足時、60%を超えた内閣支持率は、ほぼ半減。尖閣問題も響いたが、根本は、官僚主導打破やムダ追放で巨大財源確保など「自民党政権には無理だが民主党なら可能」と約束したことがほとんどできていないからだ
▼さらに、今度は法相が「失言」で辞任。政策面で変革が起こせないだけでなく、こういう失速の展開もまた政権交代前によく見た光景だ。自民党政権の迷宮を脱出したのに、次に飛び込んだ先もまた別の迷宮…。そんな感じも漂う
▼政権交代可能な二大政党制とは、一つが×(ペケ)でももう一つがあるということだ。だが、もし二つとも×だとなれば、それは、より恐ろしい“砂漠の迷宮”にもなりかねない。民主党は、そのことの罪深さをよくよく考えないといけない。