中日春秋
2010年7月4日
働いたが、その効果が表れないことを「ただ働き」という。わざわざ出掛けてみたのに、そのかいがなかったことは「むだ足」だ
▼「ただ」は漢字で「徒」とも書くが、徒花(あだばな)、徒労といった言葉を思えば、「ただ」と「むだ」には、何かをしても実を結ばないのニュアンスに、共通するところがあるのかもしれない
▼日本代表の活躍が記憶に新しいサッカーのW杯。決勝トーナメント一回戦終了時までの各チームのデータを新聞で読んだが、目を引いたのが選手たちの走った距離である。日本の出場選手が走った距離の合計は九十分当たり一〇七・二キロ。三十二チーム中の九位だった
▼さらに「選手がボールを持っていない状況で走った距離」となると、四六・九キロで三位にまであがる。この点だけでいえば、岡田監督の掲げていた目標「ベスト4」を達成したことになる
▼パスが来る、ボールが奪えると信じて走る。だがむしろ、それが実を結ばないことの方が多いのも承知で走った距離だろう。日本選手がいかに“ただ走り”を辞さず“むだ走り”を厭(いと)わなかったかを示すデータのようにも思う
▼確かに、不効率で消耗も激しい泥くさい戦いぶりだ。「効率がよい」「むだがない」「省エネ」といった当節の価値観には反している。だが、彼らは、それで初めて厚い壁を破ることができたのだ。さて、何を読み取るべきか。
2010年7月4日
働いたが、その効果が表れないことを「ただ働き」という。わざわざ出掛けてみたのに、そのかいがなかったことは「むだ足」だ
▼「ただ」は漢字で「徒」とも書くが、徒花(あだばな)、徒労といった言葉を思えば、「ただ」と「むだ」には、何かをしても実を結ばないのニュアンスに、共通するところがあるのかもしれない
▼日本代表の活躍が記憶に新しいサッカーのW杯。決勝トーナメント一回戦終了時までの各チームのデータを新聞で読んだが、目を引いたのが選手たちの走った距離である。日本の出場選手が走った距離の合計は九十分当たり一〇七・二キロ。三十二チーム中の九位だった
▼さらに「選手がボールを持っていない状況で走った距離」となると、四六・九キロで三位にまであがる。この点だけでいえば、岡田監督の掲げていた目標「ベスト4」を達成したことになる
▼パスが来る、ボールが奪えると信じて走る。だがむしろ、それが実を結ばないことの方が多いのも承知で走った距離だろう。日本選手がいかに“ただ走り”を辞さず“むだ走り”を厭(いと)わなかったかを示すデータのようにも思う
▼確かに、不効率で消耗も激しい泥くさい戦いぶりだ。「効率がよい」「むだがない」「省エネ」といった当節の価値観には反している。だが、彼らは、それで初めて厚い壁を破ることができたのだ。さて、何を読み取るべきか。