中日春秋
2010年6月1日
「自由とは、何ら障害物に遭遇しないことか?」。高校生にえらいことを答えさせるものだ。これは、フランスの大学入学資格を得るための全国統一試験「バカロレア」で過去に出された問題らしい。無論、論述で答えなければならない
▼対照的なのは、わが国の大学入試センター試験が採用するマークシート方式のような選択式の問題だ。これを「覚えるが考えない学生を育てる“教育汚染”だ」と長年、批判してきたのがノーベル賞科学者の益川敏英さん
▼昨日、第六十三回の中日文化賞贈呈式で、過去の受賞者であるご本人と話をする機会があったが、持論は不変。採点側の効率重視が受験者側に及んで「未経験の難問に出合ったらスキップ(飛ばす)する方が得」という受験テクニックにつながっているとしきりに憂えておられた
▼賞が五十回を迎えた時、小紙は歴代の受賞者に「今の日本に言いたいこと」をたずねた。一昨日、亡くなった第四十回受賞者で、日本陸連名誉会長の青木半治さんはそれに、<難有(なんあ)り有難(ありがた)や>の姿勢が新世界を開く、と答えている
▼未経験の難問や困難に出合っても「飛ばす」どころかむしろ面白がり、ありがたがって挑む。今回の受賞者も、そんなふうに各個の道を歩んできた方たちかと思う
▼教育は若い心にそうした精神を育(はぐく)むものであれ。傾聴すべき、先達のメッセージだろう。
2010年6月1日
「自由とは、何ら障害物に遭遇しないことか?」。高校生にえらいことを答えさせるものだ。これは、フランスの大学入学資格を得るための全国統一試験「バカロレア」で過去に出された問題らしい。無論、論述で答えなければならない
▼対照的なのは、わが国の大学入試センター試験が採用するマークシート方式のような選択式の問題だ。これを「覚えるが考えない学生を育てる“教育汚染”だ」と長年、批判してきたのがノーベル賞科学者の益川敏英さん
▼昨日、第六十三回の中日文化賞贈呈式で、過去の受賞者であるご本人と話をする機会があったが、持論は不変。採点側の効率重視が受験者側に及んで「未経験の難問に出合ったらスキップ(飛ばす)する方が得」という受験テクニックにつながっているとしきりに憂えておられた
▼賞が五十回を迎えた時、小紙は歴代の受賞者に「今の日本に言いたいこと」をたずねた。一昨日、亡くなった第四十回受賞者で、日本陸連名誉会長の青木半治さんはそれに、<難有(なんあ)り有難(ありがた)や>の姿勢が新世界を開く、と答えている
▼未経験の難問や困難に出合っても「飛ばす」どころかむしろ面白がり、ありがたがって挑む。今回の受賞者も、そんなふうに各個の道を歩んできた方たちかと思う
▼教育は若い心にそうした精神を育(はぐく)むものであれ。傾聴すべき、先達のメッセージだろう。