中日春秋
2009年12月8日
街にはジングルベルが流れ、書店に行けば、新年用の手帳やカレンダーがずらり。今日は針供養だし、やがて「今年の漢字」が発表され、年賀状の受け付けも始まり…
▼まこと、その時季らしい風物、行事がめじろ押しなのが、十二月、師走である。そして、その掉尾(とうび)を飾るものの一つが、毎年、大晦日(おおみそか)に当せん番号が発表される「年末ジャンボ宝くじ」だ
▼だが、せっかく幸運を射止めながら、夢を現実にしていない人も結構あるらしい。昨年の年末ジャンボの当せん券のうち、一等二億円、二等一億円、一等前後賞五千万円合わせて二十本ほど、金額にしてざっと二十億円分が、未(いま)だに換金されていないようだ
▼支払期限まで一カ月を切り、人ごとながら当たり券の行方が気になる。まさか、当せんを知っているのに換金する気はないという人はいまい。当せん番号の確認、いや、買ったこと自体さえ忘れている人が多いのではないか
▼つまり、未換金の大当たり券の多くは、それと気づかれないまま持ち主のそばにまだあるに違いない。「人が不幸なのは自分が幸福であることに気づいていないからだ」とは、ドストエフスキーの言葉だったか
▼自分にはないと思うものを人は求める。でも、本当にそうなのか。既に宝を持ちながら、それに気づいていないこと、案外、“沈黙の当せん者”には限らないのかもしれない。
2009年12月8日
街にはジングルベルが流れ、書店に行けば、新年用の手帳やカレンダーがずらり。今日は針供養だし、やがて「今年の漢字」が発表され、年賀状の受け付けも始まり…
▼まこと、その時季らしい風物、行事がめじろ押しなのが、十二月、師走である。そして、その掉尾(とうび)を飾るものの一つが、毎年、大晦日(おおみそか)に当せん番号が発表される「年末ジャンボ宝くじ」だ
▼だが、せっかく幸運を射止めながら、夢を現実にしていない人も結構あるらしい。昨年の年末ジャンボの当せん券のうち、一等二億円、二等一億円、一等前後賞五千万円合わせて二十本ほど、金額にしてざっと二十億円分が、未(いま)だに換金されていないようだ
▼支払期限まで一カ月を切り、人ごとながら当たり券の行方が気になる。まさか、当せんを知っているのに換金する気はないという人はいまい。当せん番号の確認、いや、買ったこと自体さえ忘れている人が多いのではないか
▼つまり、未換金の大当たり券の多くは、それと気づかれないまま持ち主のそばにまだあるに違いない。「人が不幸なのは自分が幸福であることに気づいていないからだ」とは、ドストエフスキーの言葉だったか
▼自分にはないと思うものを人は求める。でも、本当にそうなのか。既に宝を持ちながら、それに気づいていないこと、案外、“沈黙の当せん者”には限らないのかもしれない。