中日春秋
2009年10月21日
まったく、うれしい数字ではないが、これも政権交代の成果の一つなのだろう。厚生労働省が、長妻厚労相の指示を受けて、初めて「相対的貧困率」を発表した
▼国民の中で、生活に苦しむ人がどれくらいいるかを示す数字。難しく言えば、全人口の可処分所得の中央値(二〇〇七年は一人約二百二十八万円)の半分未満しか所得がない人の割合である
▼経済協力開発機構(OECD)の採用する方式で、一九九八年から三年ごとに算出したところ、最新の〇七年は九八年以降最悪の15・7%。これはつまり、国民の七人に一人以上が貧困状態にあるということだ。既にOECD報告でも近い数字が示されてはいたが、あらためて自前の数字を突きつけられると暗然となる
▼主に経済面から、平等を「弱さ」、自由競争を「強さ」と見る考えが強まったのは、ここ二十年ほど。その行き着いた先が、この数字でもあろうが、それは、本当に人間にあっているのか
▼人間には「白眼」があるから、相互に他者への気配りができる。また、自分でなく他者の利益を図る誰かの行いに、人は感動もする。それは人間が本来、平等な社会で生きるよう進化してきた証しではないか-。これは、しばらく前、東京大東洋文化研究所の池本幸生教授が本紙に書いていたこと
▼「格差社会」の居心地の悪さは、だから、当然なのかもしれない。
2009年10月21日
まったく、うれしい数字ではないが、これも政権交代の成果の一つなのだろう。厚生労働省が、長妻厚労相の指示を受けて、初めて「相対的貧困率」を発表した
▼国民の中で、生活に苦しむ人がどれくらいいるかを示す数字。難しく言えば、全人口の可処分所得の中央値(二〇〇七年は一人約二百二十八万円)の半分未満しか所得がない人の割合である
▼経済協力開発機構(OECD)の採用する方式で、一九九八年から三年ごとに算出したところ、最新の〇七年は九八年以降最悪の15・7%。これはつまり、国民の七人に一人以上が貧困状態にあるということだ。既にOECD報告でも近い数字が示されてはいたが、あらためて自前の数字を突きつけられると暗然となる
▼主に経済面から、平等を「弱さ」、自由競争を「強さ」と見る考えが強まったのは、ここ二十年ほど。その行き着いた先が、この数字でもあろうが、それは、本当に人間にあっているのか
▼人間には「白眼」があるから、相互に他者への気配りができる。また、自分でなく他者の利益を図る誰かの行いに、人は感動もする。それは人間が本来、平等な社会で生きるよう進化してきた証しではないか-。これは、しばらく前、東京大東洋文化研究所の池本幸生教授が本紙に書いていたこと
▼「格差社会」の居心地の悪さは、だから、当然なのかもしれない。