GWに読んだ本の1冊 こちら


ネット帝国主義と日本の敗北―搾取されるカネと文化 (幻冬舎新書)/岸 博幸
¥798
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本書の内容をざっくり、自分の言葉で言っちゃうと、


現在のネット環境では、二つの悪い面が存在していて、

それは、コンテンツが無料になっている事(文化の衰退を招く)、

もう一つはネットの覇権は米国が握っている事、という。


で、今回のこのブログでは、米国が覇権を握る事の悪い面とは?

の側面での内容を取り上げてみたい。


そもそもネットのプレイヤーは、インフラ屋、プラットフォーム提供屋、

コンテンツ屋の3つに分かれていて、儲かっているのはプラットフォーム屋。


google、yahoo、amazon、twitterなど全て米国企業。

これらの企業は、資金力と技術力で世界を制覇するだろう、と。


そのプラットフォーム屋が米国企業に支配されると起きる問題点3つ。

1.米国に情報を支配され(米国愛国者法など)

2.米国のソフトパワーが強化され(世界中で米国のファンを増やせる)、

3.ネット広告の資金がコンテンツ提供会社に還元されるのでは無く、

  googleなどの会社に流入してしまう。


という3つの事を踏まえると、安全保障面でリスクが存在するサービスを

価格が安いからと言って米国企業に依存するのは如何なものか?と。


という、そんな論調だと思います。本書は。



うん、確かに僕個人として考えてみても、

米国のサービスは、安い(無料だし)、そして便利で使いやすくストレスが少ない。

同時に先進的でシャープでcoolなイメージもありますね。

だから使いたくない、とか、嫌い、という感情がほぼ無い。


じゃー日本の企業がプラットフォームの領域で世界制覇出来るか、

と言えば、出来なくは無いと思うが、多くの壁はあると思う。


何といっても、言語の壁。これは大きいですよね。

英語かどうか、これは英語圏の国にとっては大きなアドバンテージですよね。


それと日本の規制ね。日本独特の消費者保護を含めた規制。

日本の規制は世界と大きくズレている、という。

例えば、企業としては日本用にサービスを作り、その後に世界に向けて作り直す、

という二度手間が発生したりするらしいのです。


あと何と言っても、利用者が満足するサービスの追及、

そしてそれを支える技術力と資金力も必要。


簡単ではない事かも知れませんが、でも本書の題名にあるような、

「日本の敗北」と現時点で言い切るのも悔しい気もする。


日本のネット企業も素晴らしい会社、素晴らしいサービスはたくさんある。

ネット企業に限らず、ソニーや任天堂、NTTや家電メーカーだってある。

まだまだ勝負はこれから、だと思うし。


本書では現在の日本の状態がネットの世界でも厳しい、という事は理解出来た。

これは大きな収穫であった。


ただ米国がどうとか、日本がどうとか、そういう感情は抜きにして、

良いサービスは良いと考え、その精神で日本企業も米国と切磋琢磨していき、

今以上に利用者のベネフィットを追及してくれるという事、

それが社会にとって最も意義があるのだとも思う。