以前にとある場所に寄稿したものです…
「2位で良い」は論外⁉︎
『2位で良い』は論外。聞いたことがある方もおられるかと思います。少し前になりますがノーベル化学賞に輝いた鈴木章北海道大名誉教授が産経新聞の取材に応じ、政府の事業仕分けで注目された蓮舫行政刷新担当相の「2位じゃだめなんでしょうか」との発言について「1番でないといけない。“2位ではどうか”などというのは愚問。1番になろうとしてもなかなかなれないということを、政治家の人たちも理解してほしい。それなのに2位で良いなどというのは論外だ。」と答えておられました。最近小学校の運動会に行ってもワープリレーがあったり…私が小学生の時には考えられないことです。決して1番だけがいいと言うのではありませんが世の中の風潮としてみんな一緒、差が出ないようにというのがあるのではないでしょうか。また最近の子どもたちからは“出来へん”“無理やし”とよく耳にします。私は耳にした瞬間“はぁ?やる前からそんなこと言うな!!”と必ず言います。チャレンジする前から無理だと思っていては出来ることも出来ないですし、出来たところでそのこの自信にはつながりません。
しかし子どもが変わったのではありません。大人が、そしてその大人が環境を変えたのです。
子どもたちとトッヂボールをしたのですが、白熱した試合になり大変盛り上がりました。どの子どもも真剣に。ここまではよくあることなのですが…試合が終わった瞬間、負けたチームのある子どもが泣きはじめたのです。最初怪我をしたのかと心配したのですが話を聞くと“悔しい…”と一言。そう悔しくて泣いているのです。クリスマス会では発表に向けて一生懸命、失敗しても失敗しても練習する。また今は剣玉が流行っています。一目散に剣玉を取りに来ます。全員分剣玉がないので取り合いです(笑)中には“これ俺のお気に入り!使いやすいねん!!”“うわ!俺の使いたい剣玉がない!!”と道具にまでこだわっている子どももいます。剣玉を手にするともくもくと集中してあちらこちらに散らばって練習したり、またお友だちがやっているのを穴が開くくらい真剣に見ています。その中で“よっしゃ、もし亀4番までいけた!”“○○に負けたくない!”と壁に貼っている級を見たりお友だちと話したり…。
競うことが全て悪い事ではないと思います。競うと聞くと他人と競うイメージがあるかもしれませんが自分自身と競うこともあります。負けても構いません。出来なくても構いません。ただ何かに一生懸命になる!次に向けて頑張る、どうしたらよいか考える、試してみる。そして成功する。そのプロセスが大切なのです。大人からみるとしょーもない小さなことでもそれが子どもたちにとっての成功体験になります。何でも構いません。これだけは誰にも負けたくない。上手になりたい。出来るようになりたい。と必死に頑張る、そういった体験が子どもたちの成長には必要不可欠です。何を選ぶか、それが子どもたちの個性が出るところでもあると思います。色んなことに興味を持ちどんどんチャレンジしてほしいと願っています。子どもたちとサッカーをやれば“大人気ない!!”と非難轟々。でもその中から“じゃ次こそは!”“今度はこんなフェイントしてみよ!”と考え挑んでくる。最高じゃないですか。勝ったら出来たら思いっきり喜べばいい、負けたら思いっきり泣けばいい。悔し涙を流せばいい。何か対して真剣になる!そのことが大切であり、泣いてもそれを茶化さない雰囲気を作らなければいけないのです。素直に感情を出していいんです。自分で決めた何かに真剣に向き合えることが素晴らしいのです。またそのことがこれから先、生きていく上で生きる力になるのだと信じています。勝っても負けても、出来ても出来なくても泣けるくらい熱くなれる。そこに辿りつくプロセスが大切であって、教育者としてそんな熱くなっている子どもたちのそばに、同じように、いやそれ以上に熱くなってこれからも寄り添っていけたらと思います。