膵臓がんとは知らず、「何でメシ食えないんだよ」あの頃、私がよく口にしてた言葉。

お腹が張って苦しい、便が出ない、それと大きなゲップ、痩せこけたオヤジが声を絞り出す。

がんは家系によるものがおおよそを占める。
遺伝的なものだと散々言われてきましたが、最近は誰もが発症する病気になったと言われています。
推測でしかありませんが、あの原発事故から間もなく10年、想定内の事柄なのかもしれません。

うちの家系はがん家系ではなく全くの無縁。

ですから、食欲不振でご飯粒を指でつまみ、必死に飲み込んでたオヤジに「食べないと、死んじまうんだよ!」

日頃、ろくに顔と顔を付き合わさない私とオヤジですが、この時ばかりはキスするぐらい顔を近く付けて感情むき出しにして「食べる」ことに対し必死に話したものです。

それから、町医者の血液検査でAMY(アミラーゼ)、CA19-9の値が高かったのでネットで調べ、何となく理解できました。

今思えば悪いことしたな。

その日の晩はオヤジの好物マグロ丼。
しかし、案の定マグロ2キレしか食べれませんでした。

大きな病気だと薄々気付いてしまった私は食欲がなく、それでも冷静を装い何事もないかのようにマグロ丼2杯無理矢理掻き込みました。

涙を堪えて食べる飯ってうまくないですね。

長い人生生きてきましたが、その時初めて知りましたよ。