500のペットボトル
一本分の価値
生徒募集のチラシ配りや
市の広報への掲載の効果で3月に中学校の先生から
問い合わせがあった
週に一回、五時間目の授業に指導に来て欲しい
数学や英語と同じ単位になる授業の一つとして
自閉症のクラス
俺に出来るのか?
10年前に黒帯(指導員)になり、今まで道場には色んな年齢層・考え方・職業の生徒が入門して来た
様々な事情で辞めていった生徒もいるが、どんなヤツが来ても対応出来る自信はあった
この話は引き受けなければならない
断る事は、指導者としての自分の未熟さを表す
引き受けて4月から始めた
授業の一つだから月謝は取れない
ボランティアだ
空手だけじゃ食べていけないからバイトで繋いでいる
まともな仕事をしていると空手の指導が出来ない
空手の指導をやっているとまともな仕事が出来ない
転職に転職を繰り返して
辿り着いたのが、《ここ》
引き受けて良かった
あの子達の純粋さは心を洗われる
来年も継続していくかは
まだ分からない
みんな卒業したら俺の事は忘れてしまうだろう
でも、人生に挫けそうな時
みんなで撮った全体写真を見て、思い出してくれ
五時間目の授業が終わって500のペットボトルのお茶を一本頂く
ペットボトル一本分の価値
