Ｓｐｙ Ｇａｍｅ
スパイ・ゲーム
２００１年・Ｕ．Ｓ．Ａ 映画
監督
「トニー・スコット」
原案・脚本
マイケル・フロスト＝ベックナー
脚本
「デヴィッド・アラタ」
音楽
「ハリー・グレッグソン＝ウィリアムズ」
撮影
「ダニエル・ミンデル」
出演
「ロバート・レッドフォード」
（ネイサン・ミュアー）
（ＣＩＡエージェント）
「ブラッド・ピット」
（トム・ビショップ）
（ＣＩＡエージェント）
「キャサリン・マコーマック」
（エリザベス・ハドレー）
（英国人の元テロリスト）
「ラリー・ブリッグマン」
（トロイ・フォルジャー）
（ＣＩＡスペシャル・チーム次官）
「スティーブン・ディレイン」
（チャールズ・ハーカー）
（フォルジャーの部下）
「デヴィッド・ヘミングス」
（ハリー・ダンカン）
（ＣＩＡ香港支局長）
１９９１年、ＣＩＡ本部
ＣＩＡの"Ｕｎｄｅｒｃｏｖｅｒ ｏｐｅｒａｔｉｖｅ" アンダーカヴァー・オペレイティブ（潜入工作員）を長年つとめたネイサン・ミュアーは、後１日でＣＩＡをリタイアする。
そんな時、ミュアーの友人でＣＩＡの香港支局長のハリー・ダンカンから連絡が入り、ミュアーの優秀な生徒だったトム・ビショップが中国当局にスパイ容疑で逮捕されたという一報だった。
トムが独自の判断で中国人の犬（協力者）と蘇州の刑務所に潜入したということだ。
米ホワイトハウスは、中国との友好関係を優先させるためにトムを見捨てて、万が一死刑になっても仕方ないとの決断を下した。
フォルジャーＣＩＡ次官は、なぜ、トム・ビショップが独断で潜入工作をしていたのかを調査するチームを立ち上げた。
フォルジャーの部下のチャールズ・ハーカーが任務を担当して、彼が関係者に聞き取りを行っていた。
トムを１番よく知っているのは、彼の先生であり師匠のミュアーだ。ハーカーはミュアーにトム・ビショップがＣＩＡのアンダーカバー・オペレイティブのエージェントになる経緯を聞いている。
（回想）
１９７５年、南ベトナム・ダナン
ベトナム戦争末期のダナンでミュアーは、ラオス軍のハン＝チェー将軍を暗殺するためにＣＩＡのエージェントととして指揮をとっていた。そのメンバーに海兵隊のスナイパー（狙撃手）であるトム・ビショップもいた。ミュアーは、トムの兵士としての資質を見抜いていた。トムは、見事にミッションを遂行して将軍暗殺の狙撃を成功させる。
ミュアーは、トムの兵士としての才能とは別にＣＩＡのアンダーカバー・オペレイティブのエージェントとしての才能を評価し、彼をリクルートしてＣＩＡに入れる決断をし、算段を始めた。
１９７６年、西ドイツ
ＣＩＡ西ドイツ支局にいたミュアーは、トムを引き抜くためにまず、海兵隊の西ドイツ基地に彼を異動させるように工作した。
トムが西ドイツに赴任すると、再度ミュアーは、トム・ビショップに接触し彼にＣＩＡの『潜入工作員』としての訓練を自ら教えた。ミュアーの見立て通り、彼は優秀なエージェントになる素質があった。
ミュアーは、実戦としてトムに東ドイツ人の犬（協力者）を使わせ、犬として内通させた。
トムは、協力者と信頼関係を結び、彼からの貴重な情報を手に入れていた。
ミュアーは、在西ドイツ米国大使館の中に、東側の内通者がいることを掴み、その内通者を割りだすミッションが本格的に始まった。
内通者にカウンター・インテリジェンス（無力化）作戦を仕掛けた。
そのミッションの成功の裏でミュアーの決断は非情で、ミッション成功のためにトムの犬（協力者）が犠牲になり死んだ。
工作というのはゲームだ。こちらは勝たなければならないし、そのためには犠牲もともなう。との考えをはっきり諭されたトムだが、彼は納得できなかった。そして、トムは非情になれなかった。
１９８５年、レバノン
レバノンの在米国大使館爆破事件の首謀者サラメを暗殺するためにミュアーとトムはベイルートに着いた。トムは記者を装ってアンダーカバー（潜入）した。
またトムはベイルートの現地の犬（協力者）を雇いミッションが本格的に始まる
トムは、ミッションの過程で、英国人女性、エリザベス・ハドレーと知り合う。彼女は、テロリストのグループに所属していて、故意ではないか、中国人外交官を殺した過去があった。
トムとエリザベスは恋に落ちた。
このミッションもミュアーの非情なゲーム（作戦）により、首謀者のサラメは暗殺することができたが、トムの犬（協力者）がまた死んでしまう。
トムは、激怒してもうミュアーとは仕事ができないと彼のチームから外すように本部に要請し、異動届けをだした。
それからトムは、ミュアーとは会っていない。
トム・ビショップは、ＣＩＡのアンダーカバー・オペレイティブの仕事は続けたが、別のチームに所属する。
その前に、ミュアーは、レバノンでの仕事を綺麗に隠滅するために、彼はエリザベス・ハドレーの存在が気になり彼女は知りすぎた人間として殺すことはしなかったが、中国当局に彼女の昔の外交官殺害について中国側と接触し、引き渡してしまう。
１９９１年の現在に戻る。
トムが中国の蘇州の刑務所に潜入したのは、ミュアーが引き渡して勾留されている元恋人のエリザベス・ハドレーを救出する目的で彼は刑務所に潜入したのだった。
一方、ミュアーは、少しでも時間をかせぐために動いていたが、タイムリミットが近づいたために、独断で違法な手段を用いて、ＣＩＡ本部から、嘘の目的で救出作戦を結構する。
蘇州から一番近い米軍基地で救出スペシャル・チームを結成し、彼らを蘇州に向かわせる。
スペシャル・チームは、無事トムともう一人、エリザベス・ハドレーを救出した。
ＣＩＡ本部のフォルジャー次官のところには、非公式救出作戦でトム・ビショップと英国人のエリザベス・ハドレーを救出したとの連絡が入った。
トムとエリザベスは、刑務所から米軍ヘリで脱出すると、トムはスペシャル・チームから、このミッション名は『ディナー・アウト作戦』だと聞かされた。
トムは直ぐに、このミッションはミュアーが指揮したものだと理解し、泣き崩れた。
※一番始めの印象は、トニー・スコット監督の指示したカメラワークとカッティングの鋭さで超一流のエンターテイメントを見せてもらった感じです。
ロバート・レッドフォードとは、俳優としての共演より前にロバート・レッドフォード監督の『リバー・ランズ・スルー・イット』１９９２年の作品でほぼ主役でキャスティングされ、ブラッド・ピットが俳優として世に出るきっかけの一作になった名作です。
ブラッド・ピットはプロデュース能力もある本の読める俳優ですが、ボーン・アイデンティティを断って本作に出演しました。浪花節ではないですが、自分を育ててくれたロバート・レットフォードとの共演を選択したのでしょう。