Assassination of  Jovenel Moïse.

 アサシネーション・オブ・ジョブネル・モイーズ。

 ジョブネル・モイーズ大統領暗殺事件 Part.2



   Part.2 



 タイトルの写真は外部の人間が撮った襲撃の瞬間の画像です。




 『大統領私邸・襲撃』


 2021年7月7日、午前1時頃(真夜中)、首都ポルトープランス近郊の丘陵地帯にあるペレラン 5地区のジョブネル・モイーズ大統領の私邸の門のすぐ外に数台の車が止まる。

 降りてきた武装した男たちは、すぐに『DEA』と言って叫ぶ。

 「DEA(アメリカ麻薬取締局)の作戦だ。皆、下がっていろ」と英語で拡張器を使って怒鳴っている。

 DEAとは、「Drug Enforcement Administration」アメリカ麻薬取締局で、1番の特徴は、国外においても麻薬捜査、追跡に関して単独責任を有している。とあるがわかりやすくいうと、国外の活動、例えばコロンビアの麻薬カルテルを逮捕するのにコロンビア政府の許可がなくても、勝手にコロンビアに入り、捜査活動ができる権利をもっている。なので、ハイチでアメリカのDEAが捜査をしていても不思議ではない。日本でいえば、『厚生局麻薬取締部』通称『マトリ』が海外の捜査権を有しているような感じだ。

 もっと、わかりやすく見た目でいうと、警察というよりは、装備を含めて軍隊と同じだと思ってもらえばイイと思う。


 モイーズ大統領の警護をしている警護官と警察官が、全く抵抗しないで伏せている様子も写っている。

 この時に数発アサルトライフルで威嚇射撃をしていた。


 DEAのキャップとフル装備のコロンビアの傭兵たちは、私邸の中に進んで行く。

 傭兵たちは、ジョブネル・モイーズ大統領とファースト・レディのマルティーヌ夫人を探していたと思われる。


 私邸の家事スタッフ2人が縛られた。

 大統領夫妻の成人した娘、ジョマリーは兄の寝室に隠れ無事だった。


 この時に大統領の仕事部屋にあった麻薬の密売リスト(麻薬カルテルと腐敗した関係にあった人物のリストも含んでいる)彼らは、麻薬関係の書類を盗みだし、現金にも手を付けていた。


 最後にジョブネル・モイーズ大統領を射殺し、マルティーヌに大怪我を負わせた。













 『容疑者グループ逮捕』

 時間経過がはっきりしないが、警察関係者がモイーズ大統領の家にきて、近くに潜んでいた3人の傭兵は射殺された。
 


 『2021年7月8日』

 武装グループの容疑者11人が、大統領私邸近くの台湾大使館の中庭に侵入して隠れていたが、ハイチ警察の要請で、台湾の治外法権の権利を放棄したためにハイチ警察は、大使館に侵入、コロンビア人傭兵は抵抗せず逮捕された。


 








 『市民の怒り』

 ジョブネル・モイーズ大統領暗殺事件を知った市民たちは、コロンビア人傭兵が全員逮捕されていないことを知ると、自分たちで捕まえようと、ちょっとした暴動のような状態になりポルトープランスの街が騒然としている。



 『大統領襲撃の私邸での謎』

 コロンビア人の傭兵が、DEAを騙って侵入したとしても、大統領を警護している警察官と銃撃戦が全く起きなかったのは謎であり、それに全く抵抗する感じがない。
 普通に考えても、彼らが襲撃してくることを知っていた可能性が高い。









 『ハイチ、政治家・警察関係者・警備会社の逮捕』

 ハイチ警察は、政治家と警察警護官、警護会社の責任者を外国の協力を得て、数人を逮捕している。
 しかし、ジョブネル・モイーズ大統領暗殺を主導した主犯格は未だに誰かも解明されていない。




 『結論』

 コロンビア人傭兵が逮捕されたが、マスコミは彼らが麻薬カルテルに関係した資料を盗んだことから、マフィアが彼らを雇ったのではないかと憶測されたが、だとすれば犯罪組織に加担した犯罪グループが逮捕こそされたが、起訴もされないのはおかしい。
 僕が考えるのは、やはりクーデターである。しかし、この暗殺事件のクーデターが複雑なのは、次の大統領を狙うグループが仕掛けたクーデターというよりは、ジョブネル・モイーズを排除する目的で行われたクーデターと考えるのが妥当だ。
 コロンビア人傭兵が仕掛けた起訴されないのは本来ならばハイチ軍によって行われるべきクーデターを、外の力、傭兵によってクーデターを起こしたと考える。
 首謀者が誰かが1番問題だが、僕もハイチの政治状況を全て把握していないのでわからないが、首謀者の周りにいた協力者たち数人が逮捕されているように見える。
 結果的には、ジョブネル・モイーズを暗殺し、彼を排除し、本来ならばファースト・レディのマルティーヌ夫人を殺害して全てを終わらせるつもりだったが、傭兵たちもマルティーヌ夫人を無惨に殺すことができず彼女は生き残った。
 このことが暗殺事件をパーフェクトに完了させることができず、マルティーヌ夫人は国民に対して発言力をもった。
 彼女は、ハイチにとって重要なキーパーソンになった。




 謎の多い暗殺事件だが、新たな情報が入ればまた記事にします。