Bad Times at the El Royale

 バット・タイムス・アット・ザ・エル・ロワイヤル

 エル・ロワイヤルでの悪い時代(直訳)

 ホテル・エルロワイヤル(邦題) 



 2018年・アメリカ映画。







 ジェフ・ブリッジス
「ダニエル・フリン神父」
「ドック・オケリー」






 シンシア・エリヴォ
「ダリーン・スウィート」







 ダコタ・ジョンソン
「エミリー・サマースプリング」

 





 ジョン・ハム
「ララミー・シーモア・サリヴァン」
「ドワイト・ブロードベック」







 カイリー・スペイニー
「ローズ・サマースプリング」







 ルイス・プルマン
「マイルス・ミラー」







 クリス・ヘムズワース
「ビリー・リー」  



 
 製作・脚本・監督
 「ドリュー・ゴダード」

 音楽
 「マイケル・ジアッチーノ」

 撮影
 「シェイマス・マクガーヴェイ」














 出演
 「グザヴィエ・ドラン」
 (バディ・サンデイ)




 カリフォルニア州とネバダ州の州境の町。

 今は寂れているが、ホテル・エルロワイヤルは、ギャンブル(カジノ)のライセンスをもっていた時代は、リッチでセレブリティや政治家、役人などにも人気のあったホテルだった。



 1959年
 
 フェリックス・オクリーは、ホテルの自分の部屋の床下にお金の入った袋を引きつめて隠している。
 フェリックスの部屋に、彼が知っている男が来て彼を射殺する。



 1969年

 ホテル・エルロワイヤルに、カトリックの神父、ダニエル・フリンと女性黒人シンガーのダリーン・スウィート、セールスマンのララミー・シーモア・サリヴァン、ヒッピーのエミリー・サマースプリングの4人の客が部屋をそれぞれ予約した。
 ホテルマンのマイルス・ミラーが客を出迎えたが、彼はヘロイン中毒であった。



 ララミーは、ハネムーン・スイート(新婚旅行中のカップル専用)にチェック・インすると、彼は部屋に仕掛けてあった電話の盗聴器を外した。
 まだ、ララミーは部屋を見ていると2個めの盗聴器を発見して取り除いた。

 ララミーは、ホテルのマスターキーを盗んでホテル内を調べていると、マジックミラー(覗き窓)がついた、すべての部屋の盗撮や覗きができる秘密の廊下をみつけた。
 ララミーは、各部屋を覗き見る。
 ダリーンはうたを歌い、ダニエル神父は床板を剥いでいるところ、エミリーは少女を部屋に閉じ込めて監禁している。


 駐車場に出たララミーは、FBIに電話をかけて、自分はスペシャル・エージェントのドワイト・ブロードベックだと説明している。
 彼は、フーバーFBI長官から監視資料を集めるというミッションだけにフォーカスして、このホテルで他におこっている全てのことは無視しろと指示されている。
 それと、今いるホテルのゲスト(客)をここからだすなと命令を受け、彼らの車を細工して動かないようにした。



 ダニエル神父は、歌手のダリーンをディナーに招待する。彼女はネバダ州リノでのステージのために歌のトレーニングに来ていると話した。ダニエル神父は、最近記憶障害で困っていると彼女に言う。
 他愛も無い話しをしている二人だが、ダニエル神父が、ダリーンのグラスにスパイク(ドラッグを混入させる)しているのを見て、ダニエル神父をボトルで思いっきり殴りノックアウトさせた。


 ホテルマンのマイルスは、ダニエル神父を介抱して彼の意識を戻してやる。
 マイルスは、ダニエル神父に懺悔(告白)をしたいとお願いするが、彼はマイルスの懺悔を聞くことを拒否した。

 マイルスは、無くなっていたマスターキーを見つけ、ダニエル神父をあの秘密の廊下に案内する。
 マイルスは、この廊下から各部屋の客の様子を盗撮して定期的にその盗撮フィルムを上司に渡さなければならなかった。
 しかし、マイルスは、自分に親切にしてくれた公人(政府関係者か役人)の盗撮フィルムを1本隠して上司には渡さないでいた。
 ダニエル神父は、その盗撮フィルムを観るために部屋をあとする。

 するとドワイト(ララミー)が、エミリーの部屋に入って、監禁されていた少女を助け出している。 
 それを見たエミリーは、ショットガンでドワイトを射殺し、マジックミラーを撃って壊していく。
 秘密の廊下は剥き出しになり、マイルスも怪我をする。
 エミリーが監禁していたのは自分の実の妹のローズ・サマースプリングであった。



 エミリーは、ホテル・エルロワイヤルに来る前にカルト集団に入っていた妹のローズをそこから奪還していた。
 ローズは、気づかれないように、カルト集団のリーダー、ビリー・リーに自分が何処にいるのか知らせる電話をかけた。


 ドワイトが射殺されたのを見たダリーンは、車で逃げようとするがドワイトに細工されて車は動かない。
 そこにダニエル神父がくる。
 自分は、1959年に銀行強盗で捕まった、ドック・オケリーだと告白する。最近仮釈放されたので、兄のフェリックスが隠した金を回収するために変装をしてここに来ていると言い、最近の記憶障害で部屋を間違えてしまったと説明する。
 ドックはダリーンを信用させるために、回収した金の分け前を与えると約束する。
 ドックは、金を無事回収できた。


 ビリー・リーと、彼の仲間がホテルに到着して、エミリーとマイルスを人質にとった。捕まったエミリーの見ている前で彼はローズと連れてきた少女を闘わせ、自分とセックスする女を選んでいる。
 ビリーは、マイルスたちに尋問して盗撮フィルムをださせ、彼はそのフィルムを確認すると、そこに映っている映像は金よりも遥かに価値のあるモノだとわかる。

 ビリーは、エミリーとマイルスに、命をかけたルーレットゲームをさせ、エミリーを殺し、次のゲームをマイルスにさせようとすると、ドックがビリーには攻撃し、火を放つ。
 火が広がりだす。
 ダリーンがマイルスに銃をとって助けてくれと頼むと、彼はベトナム戦争のスナイパーで123人の人間を射殺した帰還兵だとわかる。
 マイルスは、ビリーと仲間を射殺する。
 リーダーを殺されたローズは狂ったようになる。ドックがローズを始末しようとした直前にローズはマイルスの腹をナイフでえぐった。
 ダリーンは(神父姿のドックに)マイルスの戦争での罪を赦すように言って、ドックもマイルスの罪を赦した。
 マイルスもこの世を去った。
 ドックとダリーンは、誰かが?映った盗撮フィルムを火の中に投げ込んで焼きこの世から消滅した。
 二人は、回収した金だけをもって、ホテル・エルロワイヤルから去っていく。



 ネバダ州リノのナイトクラブ。

 ダリーンは、ステージでソウル・ミュージックを披露している。
 そのステージを見に来ているドック・オケリー。



 ※グザヴィエ・ドラン出演と書いていますが端役での出演です。音楽プロデューサー、バディ・サンデイ役でした。

 脚本家のドリュー・ゴダードのスクリプトは素晴らしく良くできた本です。
 グランドホテル形式(ホテルのワンシチュエーション・ドラマ)であきないで一気に魅せる力強さもあります。
 僕の言い方だとピカレスク・グランドホテル形式とでも命名します。
 監督としては、スタイリッシュに撮りすぎてリアリティがあまり感じられない作品です。
 この、ドリュー・ゴダードのスクリプトで、コーエン兄弟が監督したら、凄い傑作映画になったと思います。