Hannibal
 
 ハンニバル  




 2001年、アメリカ・イギリス・イタリア映画。



 「Thomas  Harris」
 『Hannibal』1999年より。

 監督
 「リドリー・スコット」

 原作
 「トマス・ハリス」
 『ハンニバル』1999年出版より。

 脚本
 「デヴィッド・マメット」
 「スティーヴン・ザイリアン」

 音楽
 「ハンス・ジマー」

 撮影
 「ジョン・マシソン」




















 出演
 「アンソニー・ホプキンス」
 (ハンニバル・レクター博士/フェル博士)

 「ジュリアン・ムーア」
 (クラリス・スターリング FBI捜査官)

 「レイ・リオッタ」
 (ポール・クレンドラー)

 「ゲイリー・オールドマン」
 (メイスン・ヴァージャー)

 「ジャンカルロ・ジャンニーニ」
 (レナルド・パッツィ、フィレンツェ警察刑事)

 「フランチェスカ・ネリ」
 (アレグラ・パッツィ、レナルドの妻)




 1980年代におこった猟奇連続殺人事件、通称、バッファロー・ビル事件から10年後。

 1990年代半ば。

 メリーランド州・ボルティモア。

 大富豪で政財界にも顔がきく、メイスン・ヴァージャーは、ハンニバル・レクターの行方を探していた。

 ヴァージャーは、レクター博士に恨みがあり復讐をちかっている。
 ヴァージャーは、小児性愛でレクター博士の治療を受けていた。
 レクターに関心をもったヴァージャーだったが逆に彼から顔を傷つけられて、動けない身体にされてしまう。

 そんな時に、捜査のミスで5人の犠牲者をだした、FBIのクラリス・スターリング捜査官がマスコミから叩かれているニュースを観て、彼女がジェームズ・ガンブことバッファロー・ビルを逮捕した捜査官だと知る。
 レクターを探し出すのに彼女を利用しようと思ったヴァージャーは、司法省のポール・クレンドラーに連絡し、レクター逮捕の捜査にクラリスが復活できるように命令する。



 クラリス捜査官をあざ笑うかのような手紙を送ってきたレクター博士。
 クラリスは、この手紙の残り香で香水のことが気になり、香水の専門家で調香師を呼んで、手紙の香りを分析してもらう。
 すると、この香りを使っているのは、世界でもいくつかの店でしか手に入らないスキンクリームを見つけ出す。
 クラリスは、フィレンツェの警察署に連絡してスキンクリームを売っている店の監視カメラ映像の録画を送ってもらうためにフィレンツェ警察に協力を要請した。
 すると、フィレンツェ警察署の主任刑事のレナルド・パッツィがレクター博士の存在に気付く。
 彼は自身の興味もあってかレクターのことを調べだす。

 パッツィ刑事が、フィル博士にたどり着く。
 彼は、フィル博士が、ハンニバル・レクターだと確信する。
 パッツィ刑事は、レクターに賞金をかけているメイスン・ヴァージャーの存在を知って、ヴァージャーに連絡をとると、フィル博士がレクターだという証拠がなければ金は支払えないと言われ、パッツィ刑事は、危険を押して同一人物だという証拠をつかむ。
 パッツィ刑事は、彼を捕まえて警察に引き渡さず、ヴァージャーに売ることにして単独行動にでる。
 それを察知したクラリスは、自分が知っていることは、レクターも知っている。あまりにも危険な行為だとパッツィ刑事に忠告するクラリス。
 
 賞金欲しさにレクターを捕まえようとするパッツィ刑事は、レクターにむごい殺され方をした。レクターの鼻に付く演出つきで。



 ヴァージャーに金で買われたクレンドラーは、クラリスがレクターの証拠品を隠したのと、レクターと繋がっていて、彼が逃走した責任をとらせて捜査から外し、謹慎処分をあたえる。
 これを知ったレクターは、クラリスに接触しようとする。
 しかし、これがクレンドラーの作戦でクラリスを追い込めば、レクターがてでくるとふんだのだ。

 ワシントンD.Cのユニオン駅。
 クラリスと接触しようとしたレクターは、ヴァージャーの雇った傭兵に拉致される。

 ヴァージャーは、捕まえたレクターを残虐な方法で殺そうと人食いイノシシを作り上げていた。
 彼はこの日のために最高のショーを用意していた。

 クラリスは、この拉致がヴァージャーによるものだとわかり彼の屋敷に向う。

 クラリスは、ヴァージャーのところについて、レクターを助け出そうと傭兵と撃ち合いになる。レクターを救うことはできたが彼女も肩辺りに被弾して重傷を負う。
 ヴァージャーは、自分が育てた人食いイノシシに食い殺される。



 クレンドラーの別荘。
 クラリスが目を覚ますと肩に被弾した傷はレクター博士が手術をしてふさがれていた。
 クラリスは、黒のカクテルドレスに着替えさせられているが、身体の自由がきかない。レクターのつかった薬物のせいで意識も朦朧としている。
 クラリスは、レクターにダイニングに連れていかれるとそこには、クレンドラーも座っている。
 彼も薬物で朦朧としている。
 すでにレクターに半分手術をほどこされたクレンドラーは、レクターが彼の頭蓋骨をはずし、脳が丸出しになった状態で、なおも、意識のある彼の脳をもりだして、ソテーする。
 それを食べるクレンドラー。
 彼は自分の脳みそ食べているのだ。

 FBIもクレンドラーの別荘に向かっている。
 朦朧とする意識の中でもナイフで反撃してレクターに手錠をかける。自分の手にも手錠をかけつながった。FBIも到着しレクターを逮捕しにくる。
 レクターは、時間がないと言い、はずさなければ、君の腕を切り落とす、と脅すの
 レクターは、痛いぞ、と言って大型の包丁を振り降ろす。
 FBIが部屋に突入し、クラリスを救出する。彼女の手はなんでもなかった。


 
 飛行機の中。
 逃走中のレクター。彼は変装しているが手はなくなっていた。
 不味い機内食は食べられないと自分で作ってきた食事を食べている。
 美味しそうな肉だ。
 その様子を見ている少年。
 レクターは少年に肉を食べるかたずねると彼はうなづく。
 レクターは、「新しいことに挑戦することは大事だ」と言って少年に肉を分け与える。
 少年は美味しそうにその肉を食べている。
 レクターは、微笑んでその様子を観ている。
 少年が食べているのは、クレンドラーの脳ミソだ。・・・


 
 ※『羊たちの沈黙』の続編にあたるハンニバルは、トマス・ハリスの小説が出来てからが大変でした。
 小説の内容があまりにも狡猾で残虐。ラストは、レクター博士の催眠(おまじないで)レクターとクラリスが恋人として生活する、と書かれています。
 前作の監督のジョナサン・デミも脚本家もおりて、リドリー・スコットが監督することになります。
 結局、ジョディ・フォスターも降板しました。ジョディ・フォスターもラストがあまりにも酷いとうったえていました。ジュリアン・ムーアも同じうったえをしてラストシーンは書き直されました。
 僕は、『ブラック・サンデー』の時からトマス・ハリスのファンで6作しかない小説ですが読んでいました。僕個人的にはレッド・ドラゴンが一番イイ作品だと思います。羊たちの沈黙を読んだときにも、質が落ちたと感じましたが、ジョナサン・デミの映画は面白かったです。
 
 トマス・ハリスの原作『ハンニバル』がこんな感じだったので、リドリー・スコットの映画は、叙情的には撮っていますが、もはやホラー映画です。
 やはり、素晴らしい原作なくしてイイ映画もつくれませんね。